135話/呪いⅡ
メルト「あー居た…」
リン「ん?」
元「誰だ?」
リン「拾壱王…か、何の用?」
元「拾壱王…なるほど…」
メルト「ま、あの化け物みたいな奴に対抗するために来てほしいって」
リン「どうする?」
元「ついていくしか無いんじゃない?」
リン「そうだよなぁ…でも、実際この呪いで負荷がかかって動けないのも現状…」
元「で、どんな勝算が?」
メルト「知らないわよ。そんなの」
元「は?」
メルト「だって、あれ『大神災』よ?厄災は『まだ理解されている』モノだから、そこまで苦戦しないけど、あれは神。封印?みたいなのを、数千年もされても、ろくに情報なんてあったものじゃない。ま、連れて来いって言われてるから、来てるだけ?」
元「適当だな…まぁいい。何処だ?」
メルト「徒歩1時間?」
リン「この重さで!?」
メルト「幸いにあれは『単体』だから、あれだけ倒しておいたら、楽に動けるわよ?」
リン「倒せるの?」
メルト「簡単に言えば、魔力?神だから、神力?まぁ、コアみたいなの潰せばいいだけだから」
リン「それで呪いは無くなると」
メルト「一時的と言えば、一時的なんだが、それでも、今の状態は困るでしょ?」
元「そりゃあ、そうだな」
メルト「ま、要は魔術的に言えば魔心を壊せば終わり」
リン「できるの?」
メルト「うん。でもチャンスは一度だけ、奴の呪いが一瞬でも乱れた時が狙い」
元「それには、どうすれば?」
メルト「バックアップ。それで、世界を強制的に歪ませる」
元「荒いな」
リン「まぁ、効率がいいと言えば良いし…」
元「ったく…。後、魔力の残り的にも、1回が限界か…」
リン「なら、魔力回すわ。そっちに」
メルト「じゃあ…行くぞ?」
元「あぁ」
焼き切れる
魔回路
本来の魔力ではないが故
肉体は燃えかけ
魂も破損
元「っ……!」
メルト「え?」
元「あ……が……血…?」
視界は暗く
耳も聞こえない
匂いも
血の味もしない
痛みも無い
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元「こ…こ…は……」
⬛⬛⬛「ったく…死んだのか。こいつ」
元「え……?」
⬛⬛⬛「呑気なやつだ。呪いに他の魔力。それで厄災使うとか正気か?お前」
元「此処は…何処だ…?お前は?」
⬛⬛⬛「初対面でお前は笑えるぜ。俺は、シェル。いや…本体…では無いんだけどな。Faker?そんな所だ。まぁ、お前の記憶にある、それで正しいぜ」
元「え…?」