122話/天体Ⅰ
ーーー「まぁ…あの宝権はチートだろ…」
レン「ってか、お前システムだろ…あれぐらい何とかならないのか?」
ーーー「まぁ…システムってのは、色んな能力が組み合わさって出来てるものなんだよ。で、俺はその内の一つしか持ってきてないんだよ…」
レン「なんだ?」
ーーー「強制終了って魔術だな」
レン「それであれは止めれないのか?」
ーーー「う〜ん、無理だな。あくまで、魔術とか能力とかって万能そうに見えて、不便極まりない物なんだよ。あくまで自分の知ってる範囲しか使えないからな。完全に失敗した…知識習得ぐらい持ってきとけば良かった…」
レン「なるほど、不明な物と…」
ーーー「それだけなら良いんだがな…これがまた厄介で、個体一つ一つ持ってる能力が違うんだよ」
レン「なんで分かる?」
ーーー「魔力質だな。魔力ってのは能力の種類で変動するものなんだよ。それが全て、ほんの僅かの物もあれば、極端に違う物もある。そしてだ。最も厄介なのは…」
レン「まさか…」
ーーー「全て秒単位で変動している、だから、多分どれがどの個体かが分らないんだよ」
レン「変動するとか出来るのか?」
ーーー「一つのコピーは難しいが、複数いればそれをローテーションするだけ、そして個体個体でもある程度の誤差は起こる。だから突き止めにくいんだ。どれを狙うか、どのように闘うか…とな」
レン「一掃は?」
ーーー「能力にも相性がある」
レン「と言うか、そこまで能力にバリエーションあるのか?」
ーーー「天体…使ってるのは、魔術世界では無さそうだな。科学世界の物か…」
レン「未だに神という概念がなくなっていないものか…」
ーーー「だから、あいつらは科学世界の天体を使う」
レン「対処法は?」
ーーー「世界を消し飛ばす。全員消し飛ぶが味方も消し飛ぶ。跡形も存在も全てな」
レン「なっ…!」
ーーー「しないさ…そんな事は。流石にな…しかし、現状それしかないのも事実だ」
メトル「ちょっとは現実見たら?ハッピーエンドで終わるのは、本当に恵まれていた世界線。この世界線は、ずれた世界線。そんなの叶うとでも?」
ーーー「なっ…」
レン「拾壱王…!敵か…!」
メトル「逆よ…全く…この状況で敵になる方が難しいわ」
レン「お前は…」
メトル「話は後。する事があるんでしょ?」
レン「…あぁ」