120話/真髄Ⅰ
???「う〜ん、痕跡が無いなァ…これはしんどいな…」
元「そうなのか?てっきり世界造り変えてるから痕跡残りそうだけどな」
???「いや、不自然なぐらいに痕跡が無い。むしろ、万能な人でも無理なレベル。神、大厄災を使っても残るものだ。しかしそれすら残ってない」
元「確か…改変してるのは」
???「セフかな…有力な手掛かりとしては」
元「やっぱり真髄…か…」
???「真髄……真髄!?は!?真髄って言ったか!?」
元「え…?」
???「言ったか…!?」
元「レンから聞いた話によれば…」
???「っち……殺しとくべきだった…」
元「何がどうなってる…?」
???「簡単に言えば、厄災能力の真髄。つまり、システムに近付いている。存在自体が、だから不可能な事でも、本人が出来るとさえ思ってしまえば何でも出来てしまう。全能神だぞ!?簡単に言えば」
元「科学世界のオリンポスの神か…確か…主神ゼウス…そのレベルか?」
???「存在的な位置はな…でも、それ以外でも超越している。何せ、何でも出来ちゃう化け物だからな」
元「その上で、『宝権』『神聖』『厄災能力』持ちか…終わったな…」
???「言いたくないが…悲報が一つ…」
元「なんだ…?」
???「あいつ…魔術を無いものにしようとしてる」
元「は?」
???「そもそも、セフの素。セン。こいつはな…」
元「なんだ…?」
???「魔術神として居たが、神聖を、無いものを自発的に創り出した。世界の神消滅前をセーブしデータを持っていた者なんだよ」
元「な…それじゃあ、あいつ何歳?」
???「年齢か…?魔術神クラスにその概念は通用しない。老衰が無いんだよ」
元「不死身…いや、不老不死か」
???「その様だ。だからだ。年齢を代償としてしまう魔術…いや、此処まで来たら『厄災』だな…」
元「止める方法は?」
???「あると思うか?」
元「無いのか…」
???「いや、危険だが一つ」
元「なんだ?」
???「この世界の奴らを逃して、奴のみ残して、世界を砕く」
元「それは…」
???「術者に負担はかかるわな」
元「なら…」
???「それでも倒せるか分からない」
元「!?」
???「これぐらいしか手が無いんだよ」
元「マジか…」
???「とりあえず、何か探そうぜ、他の物もあるかもだしな」
元「あぁ…そういや、一つ聞いていいか?」
???「なんだ?」
元「何故手を貸す?」
???「…」