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夜を愛でる神様




 神様は“夜”を愛でていたんだ。

 キラキラ星をちりばめた薄いベールを被せてあげて、月のティアラをそっと乗せたの。そして最後に神様は、誰の目にも触れないように、世界を闇で覆ってしまった。



 でもそれは、夜がして欲しかったことじゃないんだよ。

 だからね、アリス君。君の足下に流れ星が落っこちてきたら、そっと裏に返してごらん?

 夜の綴った恋文が、小さな文字で書かれてるはずだから。



 束縛したがる神様の千里を見通す目を盗み、密かに自由な恋を楽しむ聖夜にきらめく恋物語さ。



 

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