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オリジナルのイロハ歌『千載の森に迷う』
終えぬ旅路で 遣らず雨
行きの小径は かくれんぼ
風呂に眠る 背を懐け
永久へ誘う 迷い森
仮名
おえぬたびじで やらずあめ
ゆきのこみちは かくれんぼ
ふろにねむる せをなつけ
とわへさそう まよいもり
同じ仮名を使わないで書く“イロハ歌” だよ。
濁点不問で『ゐ』『ゑ』を抜いた、46文字全部を一度ずつ使っているんだ。
意味合いは、旅の途中で降られた雨に行き先は煙り、一泊の宿を取ることにした。風呂に浸かればうつつはぼやけ、永遠に覚めぬ夢を見るよう。こんな感じかな。
帰る間際に降り出す雨、相手をこのまま帰したくないと願うように降る雨を、遣らずの雨と言うのさ。ちょっとロマンチックな名前の雨だよね。どうしても『遣らずの雨』と『迷い森』を入れたくて、ここを確定させてから残りの文字を考えたんだ。
懐く、懐ける。この言葉は正式な使い方としては、正しいかどうか判断に迷うところだけどね。迷いの森がお風呂で眠っている人を懐かせるってイメージかな。主が森、従が人。