突然の死、からの意味不明な転生
俺は確かに死んだ…筈なんだがな………?
一体、これはどういう……?
その日、俺は一つの疑問に囚われていた。
普通ならそんな事はあり得ない筈なんだが、それは俺の身に起こっていた。
それは幾らか過去に遡る。
平凡な高校生だった俺はスマホを見てて、家族と電話してたんだ。
そこまでは普通だった。
だがそこに突然、通り魔が現れたらしく、俺は騒ぎに気付かないまま、取り残されて通り魔に腹を刺されちまった。
めちゃくちゃ痛かったのと何が起きたのか分からなかったから、その場から逃げたんだが、残念ながらぽっくり逝っちまった訳だ。
まぁ、これは仕方がねぇ。
救急車は来てたが、その前に俺が死んじまった。
死んだ事はまだ、許容範囲なんだが、問題はこれからだ。
どうやら、俺は自分の住んでた世界と全く違う世界に転生しちまったって所だろうか。
さっきから得体の知れんバケモンがうじゃうじゃ居やがる!
ここは何処の魔界だっつーんだよ!
なんなんだ一体!
しかも、俺の身体まで変わってるみてーで、視線が元よりめちゃ低い。
これさ、俺、子供になってね?
しかも、声出すと分かんだけどよ、さっきから声がめっちゃ女っぽいんだな、これが。
「あ…あー」
うん、これ、ガキ、しかも、メスガキに生まれ変わっちまったな、間違いなく。
「だー、ついてねぇ、なんでよりによって、女、しかもガキになっちまうんだ!」
思わず、デケェ声を上げちまう。
すると、周りのバケモン共が俺に反応する…が、何故か襲って来ない。
調べてみて分かったんだが、こいつら、何故か、俺を襲わねーんだよなぁ、なんだろ?
何が原因だ?
ま、分かんねぇ事は分かんねぇから、取り敢えず、今日の寝床でも探すかー、いやでも腹減ってしなー。
つっても、ここ、なーーんもねぇんだよなー。
ホント、腹減るわー。
……………。
…………。
………。
…何やってんだろ、俺。
ここって人間、俺一人しか居なくない?
これってやばくね?
俺、積んでねーか?
一応、廃墟だけど店の看板とかは見えっし、そこから漁ろうかな。
盗みには……ならねぇ…よな、多分。
一応、いきなり災害に巻き込まれてるし、バケモンに囲まれてるから許される…よな、多分。
まぁ、戯言は置いといて廃墟を調べてみると色んな物が見つかった。
大抵はカビたパンだとか、瓦礫だとかゴミばっかだったが、中には缶詰とか、まだ使えるバッグとかも有って、大分、状況は好転した…気がする。
取り敢えず、バケモン共は俺を襲わねーから、雨避けも兼ねてまだ使えそうな建物の中に拠点を構えてみた。
ただの仮拠点だが、まぁ悪くない。取り敢えず、
生き延びる為に出来る事をやってみる。
缶詰を食べて満腹になったとこで眠くなって来る。
取り敢えず、今日はもう疲れちまったし、眠いからもう寝る事にした。
眠っている間、ふと変な夢を見た。
何か、『あいつ』が女になってて、しかも、女みてーな格好して何か妹達が好きなアニメに出て来るみたいなステッキを持って変な光の球みてーのを出して戦ってる夢。
………キッモ!
『あいつ』は男だぜ?
あんな格好してる訳がねぇ。
第一、俺は今違う世界に居るはずだろ、こんな夢を見るのはどう考えたって不自然だ。
ま、元の世界が恋しくなっちまったって可能性もあるか。
妹達、どうしてっかなー?
兄貴が居なくなって泣いちまってるかな?
恋は………いや、まさかあの強情な妹が俺の為に泣いてくれる訳ねぇか、ハハハ。
唯と桜はまだ子供だからなぁ、多分、悲しい思いさせちまったなー、どうしようか。
まぁ何も出来ねぇんだけどな。
ホント、俺はダメな兄貴だったなー、結局あいつらに何も教えてやれない、ダメな兄貴だった。
でも、生命保険とか入ってたし、多分、家族は生活費に困らねぇとは思うけどよ…。
ま、くよくよしててもしょうがねぇのかもな。
だから、前の人生にもとっとと区切りをつけて俺も前に進むべきなんだろうよ。
そうして、だらけながら考えていた所で、ふと用事を思い出す。
「あー……そういえば人間を探すんだったわー…めんどくせー…やる気湧かねー…第一、何でいきなり、こんな目に遭ってんだよー…俺はただの高校生なのによー…だるー…」
そうやって精一杯、だらけていると突然、建物が揺れた。
「わぎゃぁぁーーーーーー!!!????な、ななななななんだなんだ!?や、やり合おうってのか!??ああん!!?」
とっさに拳を構えるが誰も居ない。
どうやら、建物の周りで何かが暴れてるらしい。
さっきから揺れが止まらない。
「ふざけてんじゃねーぞ!!!おうよおうよ、そんなにやり合いてぇなら乗ってやる、そこで待ってろ!!!ぶっ殺してやるからな!!」
さながら、噛ませ犬みたいなセリフを吐きながら、外に飛び出すと、そこにはーーー。
ライブラリーにアクセス。
データを収集中………少々、お待ち下さい。
こちらの結果が出ました。
【魔物とは】
通常の生き物の様な姿から伝承上の怪物や機械などの非生物の様な姿と、ありとあらゆる姿を持った奇妙な存在。固有の意思は持っている個体も居るが、そうでない個体も居る。全てと個体がまるで違う性質を持つ生物かの様に振る舞うが、実際には全て、魔力という単一の物質で構成された種族であり、物体的な違いは一切無い。それにも関わらず、硬質の皮膚や軟質の皮膚といった違いが現れるのはこの魔力という未だ解明されない未知の物質が奇妙な振る舞いをし、まるで異なる性質を自らに与える為である。この為、魔物は同じ魔力によって構成されていても、違った動き、能力を使う事が出来る。現在、分類上は非生物である。人類の敵であり、魔法少女と時期を同じくして突如、出現し始めた。その為、魔法少女同様、謎に包まれている。少なくとも、魔力との結び付きの強さに関しては魔法少女よりも強く、魔法少女よりも魔力を吸収した際の順応性が高く、強く成長しやすい。元から強力な能力を持ち、比較的均質な魔法少女と違い、無能力も多く、不均等な強さを持っているが、非常に成長した個体はかなりの脅威度を持ち、厄災レベルへと変貌する事も多い。魔物は生殖器官を持たないが、魔力を充分な量まで保有している状態であれば、自己複製出来、同種を増やしたり、もしくは一度、死んだ際に復活する事が出来る。
【魔力とは】
全く同質にも関わらず、全く異なる性質を持つ事が出来る非常に特殊な性質を持つ物質。この特殊な性質はある種、それを構成する肉体の様なもの、つまりは依代とされる魔力を纏める根幹の様なものが無ければ、魔力同士の結合は即座に失われ、分散してしまうという性質を持っており、その場合、魔力は再び、元のほとんど無害ななんの特性も持たない物質に戻る。魔物の場合は一つの完全な魔力の集合体だが、魔法少女の場合は人間と魔力のハイブリッドというべき特質を持ち、例え、魔力自体を失っても魔物と違い、魔法少女は死にはしない。ただし、魔力によって人間を遥かに超えた力を持っていた少女達はその力の喪失によって、生命力が大幅に低下する危険性がある。
【魔道具とは】
魔道具と呼ばれる魔力を持った、もしくは魔力で作られた道具は前者の場合、魔法少女と同じ様な性質を持ち、後者は魔物の様な性質を持つ。後者は天然の魔道具とされ、魔物から稀に回収される魔力が分散せずにそのまま素材として残る事が有り、その素材から作られた魔道具や突如として魔力が集中し、結果的に発生する魔道具がこれらに含められる。これらの場合、魔物同様、使い続ければ魔力を吸収し、強力な力を持つが、根幹となる使用者が死ぬ、もしくは破壊されると完全に消滅してしまう為、修復不可能。ただし、魔物と違い、繁殖しない為、魔力の蓄えさえ、充分であれば、復活する事がある。前者は現実的な根幹である鉄などの物質に魔力を込める事で破壊されても修復出来、能力がバラけない様にした物。前者は大量生産に向いており、常に人員不足で悩まされる最前線の魔法少女の多くが所有している。前者を所有している魔法少女は人工魔法少女と呼ばれる。後者を持つ魔法少女は純粋魔法少女と呼ばれる。
作者はめんどくさがりで怪文書作者なので……その……どうか許しててへぺろ!(><)!ごめんちょ!