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迷いの森

 【イングドラシル東部の大森林地帯~迷いの森~】


「うぅ~ん・・・うん?此処は・・・??」


優莉が目を覚まし辺りを見回す。そこに見えたのは大きな木で密集した場所だった。


「森か?なぜ俺はこんな所に」


『イングドラシル東部の大森林、通称迷いの森。

一度奥まで入るとなかなか抜け出せない深い森だ。モンスターも跋扈し危険度はCランクである。』


「確か俺はパソコンのメールを見て・・・ぐぅ、頭が痛い。」


優莉はこめかみに手を当て何げなく空を見上げた、そこには昼間にも関わらず大きな丸い赤い月があった。


「何処なんだ此処は・・・明らかに日本じゃない。い、異世界だとでもいうのか・・・。」


優莉の心臓がバクバクと速め、焦り 困惑 恐怖 で混乱しそうになりながらも、この森から抜け出すために行動に移した。


「異世界だとしたら、こんな所にいたらやばい気がする。とにかく移動してこの森からでないと。」


そうして優莉は不気味で、どこか幻想的な森を出るために歩き出した。

辺りには見たこともないような植物や木が立ち並んでいる、たまに動物の鳴き声なのか、モンスターの鳴き声なのか遠くの方で遠吠えやら何かが聞こえてくる。


ビクビク怯えながら、何かの遠吠えから遠ざかるように1時間程彷徨っただろうか。


「ハァ・・ハァ・・つ、疲れたぞ、完全に運動不足だ・・・。」


大きな木の洞があったためそこで一息つくために、あたり見渡し危険がないか確認した。


「少し休憩しよう・・・クソッ!!此処は何処なんだ!なんで俺がこんな目に。」

「これは異世界転移ってことでいいのか?何が何だかわからんぞ!クソがっ!!」


ドン!


優莉は恐怖からくる怒りで近くにあった木を憎たらし気に叩く、そして見覚えのない木を睨みつけ凝視した。


【アッコウの木】


「ファッ!!な、なんだ今の!一瞬文字が見えたぞ!」


優莉は再び大きな木を凝視した。


【アッコウの木】


「おおっ!また見えたぞ!鑑定ってやつか?この木は【アッコウの木】っていうのか。な、なるほど。ここはゲームみたいなスキルある世界って事なのか?。それじゃあ自分も凝視すれば鑑定できるのかな?」


優莉は半信半疑で声に出し唱えた。


「鑑定!!」 



------------------------------

 【名前】 ユーリ・アンドゥー

 【年齢】 30歳

 【称号】 異次元を渡る者

 【体力】 80

 【魔力】 90

 【腕力】 60

 【頑強】 50

 【俊敏】 45

 【技術】 イングドラシル共通言語 鍛冶 鑑定

 【魔術】 生活魔法 

------------------------------


「おぉ!見えたな、なんか名前が微妙に違うけど・・・まぁいいか。」


「フムフム、ここはイングドラシルって世界なんだな?なるほど鍛冶に鑑定に生活魔法か。鍛冶は元の世界の仕事柄スキルがあっても不思議じゃないけど、生活魔法か・・・魔法が使えるって事は嬉しいが、なんかショボいな。こんなスキルでこの世界で生きるしかないのか・・・ハァ~・・・。」


そんな遣る瀬無い気持ちになりながら、暫く木の洞の中で休憩した。


「どうにかしてこの森から出て、街やなんやら探さないと確実に死ぬな。あまり休憩ばかりしていても日も暮れてしまうし、とりあえず植物など目につく物を鑑定しながら太陽の沈む方へ行ってみるか。」


そうしてユーリは、太陽の沈む恐らく西であろう方角へ淡々と歩くのであった。これが吉と出るか凶と出るかは、今は誰にもわからない、神のみぞ知るである。







「フゥ・・フゥ・・二時間程歩いたか・・・もうそろそろ日が沈む、今までモンスターに出会わなかったのは運が良かったと見ていいのか。」


うん?あれは何だ・・・小屋か?周りを木々で囲まれているため此処からじゃ見づらいが、山とか森で獲物を狩る為に用意されたりする猟師小屋みたいだな。


「今日はあの小屋で休もう。」


体も歩き疲れて限界だ。道中鑑定して採取した食べられそうなキノコや野草がある事だし今日はあの小屋で夕飯にしよう。


水があればいいんだがな、いい加減喉も乾いて限界だ。



そしてユーリは小屋へと近づく、かなりのボロ小屋だがしかたない、まず周りを警戒し中に誰かいないか確認する。


「うん、誰もいないようだな。」


扉を開けるとそこには・・・特に誰もいないようで、この小屋も使われてたのはかなり昔のようだ。


「おぉ!寝場所もあるし中で火も使えそうだ、後は水があればいいんだが・・・こんな時に魔法でも使えたらいいんだがなぁ・・・生活魔法、使えるかな?」


生活魔法ってどう使うんだ?悩んでいても仕方ない、試してみよう。

手を突き出し気合を入れて叫ぶ!


「水よ!出ろ!!」









シーン








「わからん!どうすれば良いんだ!?イメージか?イメージが足らんのかぁ?鑑定は凝視しただけで使えたんだがなぁ・・・。」


そしてユーリは散々悩んだ末に自分を鑑定する事で見える【魔術】の【生活魔法】を凝視することで魔法の一覧が見える事を発見した。

 

~生活魔法~

【ライト】

【ダーク】

【ファイア】

【ウォーター】 

【ウィンド】

【アース】


「フムフム、ウォーターねシンプルなのは良い事だ!」


よし、ちゃんと水が湧き出るイメージをしてと。


【ウォーター】


「おおっ!!出たぞ!くぅ~、これで水が飲める!」


掌から湧き出る水に感動しながらも、集中が途切れてしまった事が原因なのか水が止まってしまった事に気づいた。

逸る気持ちを抑えもう一度しっかりと集中して【ウォーター】と唱え、両の掌を水を掬う様にくっつけ水を溜め口に近づける。


「ゴクゴク」と喉を鳴らし水を飲んで、「プハーっ」と息を吐きだし暫く放心する。


「生き返るようだ」


そう一言だけこぼし、小屋の中をもう一度見まわす。小屋の中も色々あるみたいだから調べてみるか・・・。暫くガサゴソ辺りを漁っていると木箱の中に、鉈 革袋 ロープ 箱に敷き詰められた黒いマントを発見した。鉈は鞘もベルトもあったが少々錆びてしまっている。外には薪もあるし、囲炉裏っぽい場所にも鍋が吊るされている。時間も時間だ夕食にしよう。


「とりあえず今日は小屋にある薪を使っちゃおう」


囲炉裏っぽい所に薪をくべ【ファイア】おし!ちゃんと火が出た!よしよし、それから鍋をウォーターで洗い水を入れてっと、煮立つ間にキノコと野草をよく水で洗いキノコを手で千切り野草も手で千切っておく、これだけじゃ腹の足しにはならんが、ないよりましか・・・鍋の水が沸騰した所でキノコと野草を入れひと煮立ちさせる。


「塩も何もないが、キノコの出汁がうまく出てくれればいいんだが・・・。」


待ってる間に木の枝を先程ゲットした鉈で削る、まぁ箸のような物だ。


よし!そろそろいいかな?


「こんな訳のわからない世界に来てしまったが、食材に感謝を!いただきます!」


うん、味が薄い!そして箸が苦い!でも、まぁ疲れてるから、なんでもうまいな!鑑定様様だぜ、毒があるかないか分かるだけで神スキルだな!


フゥー


「ごちそうさまでしたっと。」


数分で食べ終わってしまった・・・満腹じゃないが仕方がない。

明日はまともな物が食べられればいいんだが・・・。


ふと外を見て辺りがもう真っ暗なのを確認した。小屋の中は火を焚いてるのでそこそこ明るいが、これからの事を考えると不安になった。


「明日はこの小屋を陣地にして、鉈の錆びを落とすのに砥石を探すか、川があれば使えそうな石もあるだろうしな。」


よし、今日はもう寝てしまおう。


寝てる間にモンスターが出なければいいが・・・。

まぁ心配しても死ぬときは死ぬ警戒は怠らないが、心配しすぎても疲れて動けなくなるだろう。


藁の寝床に移動しマントを毛布代わりにする




「おやすみなさぁ~い」






こうして異世界での1日が終わる、ユーリはこの世界で何をなすのか、生きていけるのか?それは誰にも分からないし作者もこの先の行方は分からない。

それでは次回もよろしくお願いします。 

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