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マンション管理人山田一平

作者: 高城 みのる

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八重桜が咲き誇っている丘の上のマンションに一平夫婦が住込み管理人としてやってきたのはもう12年も前のことであった。

今年の夏に70歳を迎えた一平は当時のことを感慨深く思い返していた。

不動産業を20数年営み当時はそれ相応に贅沢な生活を送っていたが、バブルの頃に浮かれていた付けがその頃一挙に押し寄せてきた。

浮かれていた頃に買ったBMw

や住宅までもが差押えられ競売に附されるのはもうまもなくの事であった。

妻の京子が


 

今日は久しぶりの連休で少し朝寝をした。朝寝と言っても最近は6時には目覚めるのでいつもとあまり変わらない。

70歳の老人になると一日5時間も寝れば充分だが、若いときのようにぐっすりと熟睡出来ないのが少し辛い。

 「一平ちゃん、ご飯できてるよ。起きてるの?」妻の京子がいつものように声をかけると一平がベッドから起き出す。京子は夫を「一平ちゃん」と呼び、夫は妻を「京ちゃん」と呼ぶ。

二人は幼馴染で子供のころからそう呼び合っていた。

食卓にはいつもの朝食が用意されている。二人暮らしの山田家の朝は殆んどパン食でクルミとレーズンが入ったパンと紅茶、牛乳そして毎朝欠かせないのがバナナとアーモンド12粒だ。これで今のところ夫婦とも健康に過ごせているので一平はアーモンドのおかげと思い込んでいるが、妻の京子はそれほどこだわりはないようだ。

京子は幼い頃からあまり病気に縁がなかったし、精々風邪を引いても一日休めば元気になるので案外無頓着なのだ。


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