鬱展開が見たい
趣味が悪いと言われそうですが、私は鬱展開が大好きです。
しかし、最近は鬱展開の作品が減ってきている気がします(リサーチ不足だったらすみません)。
では、どういった作品が鬱展開なのか、私なりに纏めてみました(ここで言う「鬱展開」は、基本的に私好みの展開という意味ですので、そこはご注意を)。
まず始めに…
「鬱展開」とはそもそも何なのか。ネットで調べてみると、
「受け手の気を滅入らせる様な物語の展開」
「視聴者・読者をどんよりとさせ、鬱な気持ちにさせる様な物語の展開」とあります。
また、「鬱」について調べると、「持続する不安・悲しみなどを特徴とする精神障害」と出てきました。
実際に精神障害になる事はないにしろ、「鬱展開」というのは、相当重い展開を指す言葉なのです。
次に…
よく「鬱展開だ!」と騒がれる、キャラクターが死ぬ、対立し、傷つけ合う等といった展開。
あくまで個人的な意見ですけれど、これは全部が全部鬱展開ではないと思います。
勿論、こういった展開を鬱展開と言う方もいるでしょうし、このような鬱展開もあるでしょう。
しかし、キャラがバタバタ死んだら鬱展開なのかというと、そうでもない。
だって、現実味がないでしょう。
現実味がないというか、ドンドン死んでいくから、印象に残らないというか(そのキャラのファンは別として)。
印象に残らない展開を、重い展開とは言いません。
ある程度、一人を描写するのに時間をかけて、読者や視聴者に感情移入させて…
そこでキャラを殺す。
対立する場合も同様に、二人の心情や、友情・愛情。そして、すれ違いや、埋めようもなく広がっていく亀裂。
この「描写」をきちんとする。
キャラクターの死を、対立を物語のスパイスと捉えず、一つのテーマとして書き切る。
これが、キャラクターが死ぬ・対立する形の鬱展開で、ここまでいってこそだろう、と常々思います(そうでなければ、ただ何と無く胸糞悪いだけです)。
さて、私はここに来るまでにしつこく(?)描写、描写と言ってきましたが、ではどんな「描写」があれば鬱展開になるのか。
簡単に書き出してみるとこんな感じです。
①キャラクターに感情移入させられるような描写
②キャラクターの幸福の絶頂
③キャラクターの転落
これらが揃っていれば、大概魅力的な鬱展開になる筈。
例えば、まどマギのさやかちゃんだとか(あれは鬱アニメではない気もしますけど)。
①は人によりけりにしろ、②③は丁寧に描かれていましたよね(知らない人はすみません)。
分かりやすいので、最終的にキャラが死ぬ例を出しましたが、何もキャラを殺さなければいけない訳ではありません(そりゃそうだ)。
また、①②③の順に沿っていかないといけない訳でもないです。
努力が報われない、正しいと思っていた事が全て否定される、といった鬱展開も素敵ですし、③から始まる、ネクロニカの様な作品もいいですよね。
ただそれも、当たり前ですが感情移入があってこそです。
登場人物が最強であれ何であれ、何処かに隙間を残しておいた方が人間味があって、作品とキャラに引き込まれますから…鬱展開でなくとも。
作品を見ている間は、自分とキャラを重ねて、共に絶頂や転落を愉しんで欲しいものです。
少し脱線しましたが、兎に角、①②③の描写は全て大切で、これらが揃った作品は、魅力的だと言いたいのです。
さて、長々とすみませんが、最後に二つだけ。
何でも萌えにすればいいって訳ではありません。
あと、誰か「鬱展開」な作品を下さい。
他人任せで申し訳ない。
御免なさい。