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第8話 ビッチな女神の召喚者 -2-

お読み頂きましてありがとうございます。

「なんのことでしょう?」



 決して油断してはいけない相手、そう本能が教えてくれる。慎重に慎重を喫して、話を進める必要がある。



「とぼけないでよ。わたくしになんの恨みがあると言うの?」



 それは、こちらが言いたいセリフだ。私に何の恨みがあって、召喚するのだと。だか、そのセリフを返すには早すぎる。無理矢理、自分に納得させて、その言葉を飲み下す。



「せっかく、世界で人族にあがめたてまつられている女神であるこのわたくしが直々に召喚してあげたというのに、無理矢理上位世界であるこの場所に引っ張られたため、この世界の神の縄張りを荒らしたと、この神としての力を全て奪われたのです。」



 緊張で張りつめていた身体がようやく弛緩できるようになった。どうやら、相手には、この容姿しか残されておらず、一切の力が使えないようなのだ。



 まさに第一印象そのもの。その神々しさから、人とは違うモノである認識は、ぴったりと当てはまっていたのだった。



「なぜ、私を召喚しようというのです?」



「そんなことは、わたくしの勝手でしょう。わたくしは女神よ。お前たち人族は、御奉仕すべきなの。役割を与えて頂いたと光栄に思いなさい。」



 きっと、この女神が居座る異世界は、さぞかし住みにくい場所なのだろう。こちらの都合に関係なく突然、神から役目を与えられるのだから。


 いや違うな。人族は、全てこの女神に洗脳されていて、嬉々と傅いているのだろう。そんな気がした。



「あなたは、どうしたいのですか?」



「決っているじゃないの。そんなことも解からないの。だから、バカって嫌いよ。」



 いきなりのバカ呼ばわりにムカッとくるものの、そこは我慢だ。たとえ下位世界で力を奪われたとはいえ、女神なのだ。どのような能力を持っているか解かったものではない。



「教えて頂けますか?」



「そうねぇ。特別に教えてあげるわ。ここに埋め込まれた反転魔法陣は、平行宇宙の第139世界のモノね。ここにお前のMPを投入すれば、巻き戻しされるはずよ。」



 これだから、神は怖い。油断していたら、足を掬われるところだった。反転魔法陣のあった異世界が139番目の世界かどうかは解からないがズバリ、巻き戻しができることまで言い当てるとは、全く油断も隙もない。



「それで元の世界に戻ってどうするというのです?」



「元の世界に戻れば、私がいなくなって震えているだろう子羊たちの信心の力で私の力が復活するはずよ。そうなれば、この邪魔な反転魔法陣を破壊してあげるわ。」



 これでますます、元の世界に返すわけにはいかなくなった。力が復活するのに何年かかるかわからないが、私の命綱にも等しいこの魔法陣を破壊されて困る。



「解かりました。MPを投入するので少々お待ち頂けますでしょうか。」



「そこそこ、解かっているみたいね。それでこそ人族、わたくしのしもべ。」



 私は、巻き戻しのMP投入口と反対方向にある別のMP投入口にMPを投入し、呪文を唱える。


『イニシャライズ』


 反転魔法陣が一瞬だけ白く輝き、そしてモデルルームに静寂の時が訪れた。さきほどまで女神が居た空間にはなにもない。



・・・・・・・



 私がモデルルームのドアに鍵を掛けていると遠くのほうから、声が聞こえてくる。



「なんてこと。人族がこのわたくしを裏切るなんて!覚えてらっしゃいぃ。」



 そう。私が反転魔法陣に向かって唱えたものは、初期化。つまり、反転魔法陣が記憶している飛ばされてきた異世界の情報を消去してしまうものである。さらに飛ばされてきた生き物をこのマンションの敷地から排除してしまうのである。



 まあ、何の能力も持たないようだから、そこらで野垂れ死んでくれると嬉しい。








 数日後。





 私は、あるデパートの北海道物産展に行こうと出歩いていたときだった。普段は反転魔法陣の中に引きこもり状態でも、北海道物産展となるとMPを満タンに解呪魔法を打てる状態で目当てのスイーツを買いに出てくるのだ。




 目の前を男たちが進行方向を塞ぐ。



 なんだ。このにーちゃんたちは・・・。



 一見、スーツを着たリーマン風ホストからしょうゆ顔なのに金髪で胸元をこれでもかというほど開け日に焼けた胸に金のネックレスと金のブレスレットという、薄暗い店内ならイケメンホストだろうが、外で見ればブキメンなホストまで10人くらい居るようだ。



「ネエチャン、ココヲトオサナイゾ。」



 しかも日本語が片言だ。顔つきと仲間内で交わす言葉からすると朝鮮人か。韓国人なのか北朝鮮人なのか、はたまた朝鮮系中国人なのかは解からない。



 その男たちの真ん中から現れたのは、例の女神だ。



 ちっ。まだ生きていたらしい。



「お前と違って、ここの人族は信心深いわね。たった5日でこんなにも信者が集まったわ。」



 そういえば、彼女が消えた方角には、日本のオバちゃんたちが群がる。朝鮮人街があったな。



 朝鮮人俳優のプロマイドを売っている店から、まあ贋物だろうがイケメン朝鮮人アイドルが歌や踊りを披露するショー専門店やケバイ化粧をしたイケメン朝鮮人ホストだらけのホストクラブまで・・・。



 いろんなタイプの日本のオバちゃんたちから金を毟り取る店が立ち並ぶ場所だったはずだ。



 ああそうか。美しいことは正しいという概念があるらしいからな朝鮮人には・・・。たとえ整形美人だろうと信仰の対象になるらしい。



 日本人ならこんなに完璧すぎる女性を見れば、まず整形を疑い、整形は恥かしいという概念を持つはずだからな。


《つづく》


別に何処かの国の人々をディスってるわけではないです。

あまり気にしないでください。


日本人とあちらの人との違いを書いてみたかっただけです。

むこうの人が全員そうと言っているわけではありません。単なる私見です。

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渚佑子が初めて召喚された世界でのお話。 「オタクの悪役令嬢は復讐は果たせる?」http://ncode.syosetu.com/n8132dh/連載中。
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