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優里  作者: 日下部良介
46/75

第46話

46.


 嫌な予感がした。僕は携帯電話を持って書斎に入った。そして、電話に出た。

『こんばんは。青山さんとはうまくやっているの?』

 いきなりこんなことを聞いて来るのにはきっと何かある。

「うまくもなにも僕たちは…」

『あら、じゃあ関係ないわね』

「なんのこと?」

『青山さん、高木さんと付き合っているのよ』

「まさか!」

『本当よ。ウソだと思うなら本人に確かめてみれば?』

 山本さんはそう言って電話を切った。

 まさか…。有り得ない。そんなことがあるわけがない…。僕は居ても立っていられなくなり優里に電話を掛けた。優里の電話は留守電になっていた。僕は電話をして欲しいとメッセージを残し、電話を切った。


 優里が高木と付き合う理由がわからない。第一、二人は連絡先の交換などしていないはずだ。あの日、優里はずっと僕の隣に居たのだから。あっ!もしかしたら…。僕は山本さんに電話を掛けた。

『あら、どうしたの?青山さんに振られたから私に乗り換える?私は構わないわよ』

「山本さん、まさか、優里の連絡先を高木に教えたんじゃないでしょうね」

『さあ…。それより、今から会えないかしら?』

 間違いない。山本さんの仕業だ。

「すみません。今は出られないので」

『じゃあ…』

 スピーカーから山本さんがまだ話し掛けている声が聞こえたけれど、僕は構わずに電話を切った。すると、またすぐに電話が鳴った。僕は電話に出ると、開口一番こう言った。

「僕はあなたとどうこうなんて有り得ませんから。もう構わないでください」

『えっ?』

 えっ?その声には聞き覚えがあった。

『貴志さん?』

「優里…」

『どうかしたんですか?』





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