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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

二度目の夜明けを

作者:ret_riever
最新エピソード掲載日:2026/02/04
前の人生では、何者にもなれずに死んだ。

31歳、フリーター。コンビニ、倉庫、配達を転々とし、治療費が払えない病気でコンビニのバックヤードに倒れた。友人はいない。家族とは十年以上連絡を取っていない。誰にも看取られず、冷たい床の上で意識が消えた。

次に目を開けたら、異世界の英雄の息子になっていた。

魔法が存在する世界。15年前の「魔導革命」で貴族支配を打倒して生まれたモルゲンタール共和国。母ヒルデは革命最大の英雄「紅の黎明」――だが俺が2歳の時に戦死していた。

残されたのは、酒に溺れる父と、勲章と肖像画ばかりが飾られた静かな家。母の名は街中に溢れている。壁画に、広場に、学校の名前に。英雄はどこにでもいて、どこにもいなかった。

チート能力はない。ステータス画面も出ない。あるのは、社会の底辺で31年間生きた記憶だけだ。

だが、その記憶が見抜いてしまう。

「すべての国民に平等な魔法教育を」と謳いながら、旧貴族の子供たちを壁の向こうに隔離する共和国。忠誠心で教育を配分する「均等裁定院」。新たな特権階級と化した革命の指導者たち。

母が命を懸けて勝ち取った「夜明け」は、まやかしの薄明に過ぎなかった。

革命を信じる親友。壁の向こうで生きる少女。母の戦友だった支配者。正論を語る反革命の指導者。誰もが自分の正義を信じ、誰の正義も完全には正しくない。

貴族が磨き上げた精密な魔法と、革命が生んだ実戦的な魔法。二つの流派を混ぜ合わせた独自の戦い方で、才能ではなく工夫と意志で這い上がる。

体制にも反体制にも与さない「第三の道」を、英雄の息子は歩き始める。

――あの革命は、本当に夜明けだったのか。

一度目の人生で何者にもなれなかった男が、二度目の人生で問い続ける物語。

初投稿です。毎日5話ぐらいずつ切りのいいとこまで掲載していこうと思ってます。
全部で4章60話程度の構成になる予定です。
楽しんでもらえたら嬉しいです。
1章 革命の残り香 *1話〜15話
名前のない朝
2026/02/04 02:58
英雄の不在
2026/02/04 03:08
壁の向こう
2026/02/04 03:13
紋のない少女
2026/02/04 03:15
もう一つの魔法
2026/02/04 14:58
父の夜
2026/02/04 15:19
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