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3.

 俺は、プンプンと自分で口にしながら去っていく美少女剣士の後ろ姿を、見送った。


 さらさらストレートの長い黒髪を後頭部の少し高い位置で束ねた馬シッポを、盛大にブンブンと振りながら、暴力集団に対する正しい対処法を身振り付きで力説。

 それを俺が微妙な表情で拝聴していたら、お説教が終わると可愛らしく「私は怒っているんだぞ」ポーズを盛大にアピールしながら部屋から出て行った、ほんわか美少女。


 いや~、ホント、アーヤさんって…。






 ガチャリ、と扉が開く音が聞こえたと思ったら…。


「やっと、起きたわね」

「あはははは」


 今日も立派なゴスロリ少女であるエイプリルちゃんが、呆れた顔して、登場。

 たぶん、色々と面倒を掛けたであろうと確信している俺は、苦笑いしつつも軽く頭を下げる。


「ふん!」

「...」

「私のせいで、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」


 照れ隠し(?)で嫌そうな顔してプイッと横向くエイプリルちゃんの後ろから、小鳥の尾羽のような可愛らしい特徴的なシッポを装備した少し幼げな美少女が、半泣きで現れた。


「助けてくれて、ありがとうございます。怪我させて、ごめんなさい。本当に、ごめんなさい」

「「...」」


 堰を切ったように、感謝と謝罪の言葉を、連射する。

 お店でクルクルと小回り良く行き来していたイメージそのまま、ある意味で元気に(さえず)っている。


 うん。彼女に怪我はないようだし、ここに居るという事は、取り敢えず、当面の危機は脱したのかな?


「モカちゃんが謝る必要はないわ。カイトは当然の事をしたまでよ」

「で、でも…」

「良いの。わたくしが良いと言ったら、良いのです」

「...」

「分かった?」

「はい」

「そう。美幼女に、泣き顔は似合わないのよ!」


 はっはっはっはは。

 今日も、エイプリルちゃんのロリータ節は、絶好調だった。


 まあ、予想通りというか、やっぱり、自由闊達な雰囲気を纏う幼い感のある美少女はエイプリルちゃんの好みのド真ん中、だったようだ。

 いつの間にやら、すっかり仲良しになっているし…。


 小鳥の尾羽のような可愛らしいシッポを装備した小さな少女は、モカちゃん、という名前らしい。

 可愛らしい小動物のような少女には、お似合いの名前だね。

 思わず、頭ナデナデしたくなるよね!


 ホント、モカちゃん、可愛い。


 などとデレデレになって考えていると…。


「カイト、分かっているわね?」

「あ、ああ」


 やばい、やばい。

 エイプリルちゃんの危険思想センサーに、引っ掛かってしまったようだ。


 キッと睨みつけ、腹の底から出てくるような低い声で叱責してくる、エイプリルちゃん。


 むむむむむ。

 これは、ちょっと前に無理やり練習させられていたアレを披露せよ、という露骨な圧力だよね。

 とほほほほ。


「で?」

「うっ…」

「?」

「ほら、ビシッと決めなさい!」

「...」

「?」


 え、えぇ~い、ままよ!


「イエス!ろりーた、ノー!たっちぃ~」


 俺は、左手を胸に添え、右手をビシッと挙げて、自暴自棄になって叫んだ。


 それを見た、小鳥尾羽シッポのモカちゃんが、目を丸くする。

 はははは、はぁ、あ。

 まあ、当然の反応、だよね。


「な、何ですかぁ、それ?」

「う~ん。エイプリルちゃんにお仕えする軍団での合言葉、みたいな?」

「あはははは。面白ぉ~い」

「...」

「ほえ~。エイプリルさんって、凄いんですね」

「...」


 踏ん反り返ったゴスロリ少女が、ドヤ顔を決める。


「お~ほっほほほほ。そうですの。わたくし、偉いのですわ!」


 うん。エイプリルちゃんは、平常運転。

 本日も、この世は平和、なのであった。ははははは、はぁ…。

番外編「閑話」

ゴスロリ美少女エイプリルちゃんによる本日の独り言。


「バカなの? うん、莫迦なのよね。カイトって…」

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