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7.事情聴取と引っ越し準備

美月と雪乃は、お互いに有給を取って警察署にストーカーの相談に来た。女性警察官が担当してくれることになり、雪乃の表情が少し和らいだ。調書を作るために、3人で別室に移動する。

「お2人はどういったご関係ですか?」

「雪乃の姉です。」

女性警察質問に、照れ臭さをを感じながらも美月はそう答えた。

雪乃が和真と付き合っていたが別れたこと、和真は納得しておらず、メッセージや電話が毎日のようにあること、美月と雪乃が会っているときに、和真から監視していることをほのめかすメッセージが届いたことを説明する。女性警察官から、メッセージ画面や着信履歴をスクリーンショットで保管しておくようにアドバイスを受け、警察署でも保管しておいてもらう。

「橘さんのスマホが壊れた場合に備えて、佐藤さんにもスクリーンショットを転送して保管するといいですよ。」

「なるほど!確かにそうですね。ありがとうございます。」

女性警察官の追加のアドバイスに、雪乃はさっそくスマホを操作して美月にスクリーンショットを転送する。

最終的に、ストーカー規制法に基づき、和真に警告を出してくれることになった。

「接近禁止命令は出していただけないんですか?」

雪乃が食い下がると、女性警察官は申し訳なさそうに答えた。

「接近禁止命令は、『ストーカー行為や、無断で位置情報を取得する行為が反復して行われるおそれがあり、被害者の身体の安全や住居の平穏が害されると認められる場合』とされています。現時点では、そのように判断する材料としては不十分です。今後もストーカー行為が続くようでしたら、すぐに接近禁止命令に切り替えます。戸締まりをしっかりして、常に防犯ブザーを携帯するようにしてください。」


その後、さっそく2人は近くの家電量販店で防犯ブザーを購入した。

帰り道、雪乃は申し訳なさそうに美月に切り出した。

「警察署でいろいろ話してたら、嫌な想像ばかりしちゃって。普通は警察に警告されたら諦めるけど、そうじゃないのがストーカーだから。やっぱり、お姉ちゃんの家に行かせてもらってもいいかな?」

「もちろん!雪乃はこの後予定ある?」

「ないよ。」

「私もないから、今から私の家に行こう!」

善は急げとばかりに、美月は雪乃の前に立って歩き始めた。


同居をするにおいて、事前に諸々のことを決めておいた方がいいということで、美月の家に着いた2人は簡単に念書を作ることにした。

具体的な内容は、


•雪乃は、美月の母が使っていた部屋を自室にする

•雪乃は、美月に家賃や水道光熱費として月5万円払う

•買い物は出社勤務の美月が仕事帰りに、料理や洗い物は在宅勤務の雪乃が担当する。掃除や洗濯は当番制にする

•門限は22時。それより遅くなる場合は、連絡する


といった感じだ。

それ以外のことは、同居を通してその都度決めていくことにした。


和真に雪乃の引っ越しが知られないように、業者に依頼はしたくなかった。そのため、美月は雪乃のアパートに車で行って一緒に荷物を整理し、使わないが売れそうなものは美月の車でリサイクルショップに持ち込んだ。

「リサイクルショップってまだ使えるものが手軽な値段で買えるんだね。宝探しみたいで楽しい!」

雪乃の感想に、美月も同意する。

「本当だね。せっかくだから雪乃が気に入ったものがあったら買いなよ。」

美月の言葉に、雪乃はペアのマグカップを手に取る。

「引っ越したら、お姉ちゃんと一緒にこのマグカップ使いたい!」

そう言って笑った雪乃に、美月はノックアウトされた。

(ヤバい、妹が可愛すぎる!)

「しょうがないな~。姉として、可愛い妹のお願いは聞いてあげないとね。」

マグカップを雪乃から引き取り、軽い足取りでレジに向かう美月だった。


リサイクルショップを後にした2人は、コンビニに寄り道してスイーツを買う。帰宅して一息入れ、片付けの続きをする。ゴミは分別して袋にまとめ、雪乃が収集日に出すことにした。

そのルーティンをこなして1ヶ月もすれば、必要最低限のものを残して片付けることができた。しかし、物陰から2人の様子を見ている人物がいることに気がついていなかった。

書き留めたエピソードをなくなったので、次回からエピソードが完成次第、順次投稿していきます~

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