STAGE2:編集と混者
「…でもなにからすればいいんだ?」
「おっ!良いところに目をつけましたね〜」
やると言った瞬間急に元気になったなこのテンプレ女神め…
「とりあえずまあ…説明しやすいんで陸さんのステータス出してください」
「…」
「ほら早くしてくださいよ〜こうしてる間にも時間たってますよ?」
「いや出し方ァ!ノーヒントでどうしろってんだよ!よくあるやつみたいにステータスオープンとか言えばいいのか!?」
「そうですよ?」
「え?」
…ホントに出てきた…確かに漫画とかでよくある四角いのが目の前に浮いている…
空薙陸 Lv5
HP 50 MP500
スキル 編集Lv1
魔法 無し
「うーん…紙装甲ですねぇ…」
「いきなり言う事酷くない?泣くぞ?」
「一般成人男性が急に泣いても多分需要無いですよー?」
なんも言い返せねぇ…
「とりあえず説明しますよ?まあHPとかMPは言わずともわかると思うんですけどー…まずスキルですね、多分これ無かったらすぐに死ぬでしょうね」
「そんな重要なのか?この編集ってやつ」
「まあそうでしょうね、過去にも同じスキルを持った方がいたって記録があるんですけど…その方は上手く扱えずに死んだらしいです」
…少なくとも制御出来る力ならまだマシ、けどこの世界で生きていける力なのか?正直スキル名だけじゃ想像つかない。
「まあ多分問題無いですよ陸さんなら」
「…どういう意味?」
「世界の理を書き換える力、それが編集というスキルです」
…本当なら確かに協力な力…けどそんな力なら腑に落ちない事がある。
「いくつか質問に答えてくれ、以前編集を持っていた人が何故死んだのか…そして何故俺なら大丈夫なのか」
「…まあ気になりますよねー?勿論いいですよ、けどまずこの世界が滅びかけてる原因を先に説明しなきゃですかね?」
「そういえば聞いてなかったな」
「…まずこの世界の各地には混者と呼ばれる化け物がいます、奴らは当然のようにただの人間が勝てる相手ではありません…その結果、多くの人や国が被害に逢いました…」
「上手く使いこなせなかった結果その混者とやらにやられたって訳か」
「その通りです、何故混者達が生まれたのかも未だにわかっていないままです」
想像以上にヤバい話、正直引き受けてしまった事を後悔する気持ちも無い訳じゃない。
「でも世界の理を書き換えるなんて力ならその混者を消す事も出来たんじゃないか?」
「そうなりますよねー…けど不可能なんです、編集スキルに出来るのはせいぜい小さい物を無から作り出したり少しだけ対象を消したりとその程度の力しか今は無いんですよ」
「納得…確かにキツいだろうよそんなんじゃ、けど今はって事は?」
ステータスを見た時から思っていた、Lv表記があるなら使って伸ばすタイプのスキルなんじゃないか?Lvが上がった時何が変わるのか。
「確かにLvが上がれば干渉出来る事は増えるでしょう…けど難しいんですよ、だって混者を…」
「混者を倒さなきゃ経験値は手に入らない、だろ?」
「その通りです、けどそんな簡単じゃ…」
「余裕じゃね?」
「え?」
「多少ならなんでも干渉可能、だったらまあ…多分大丈夫だろ」
髪をまとめ眼鏡をかける、いつもゲームをする時の俺の格好。
「んじゃ丁度お客さんが来てるようだし?まあ隠れて見てなよ」
その時、後ろから聞こえていた妙な音にアルも気づいたようだ。
「混者…!しかもあの大きさ…もしかして」
「んじゃ…ささっと終わらせるか!」
自分の数十倍はありそうな化け物が目の前にいる、普段のゲームじゃなく現実に。
「ちょっと使ってみるか」
編集スキルを発動し、眼鏡に使う。
<相手のステータス閲覧>
「おっ成程、こんな感じか」
初めて対峙する混者、そのステータスは普通に見れた。
███ Lv70
HP 5600 MP 2000
スキル 無し
魔法 火焔
火焔…炎系の魔法か?
落ちている石を掴み投げる。
「いやまあこんな化け物に石当てただけじゃそんなもんかな?」
HP5599、つまり1は削れた訳だ。
「だったらやれるかな?」
その直後混者が巨大な炎を吐く、間一髪で回避したが成程、これがこいつの魔法か。
「まともに食らったら余裕で死ねるなぁ」
「無理ですよ…その混者は…!」
「ん?」
「だって以前編集スキルを持っていた方を殺した混者と同じ見た目なんです…」
完全に怯えている、まあ1回ダメだったって事だろうしなぁ…。
「心配いらんから隠れてな、上手く行けば倒せるぜ?」
「え…?」
編集 ステータス上昇バフ3分…!
「これも出来るのか、なら混者のHPは…!」
発動しない、出来ないという事だろう。
「ふーむ…ならこっちは?」
「無理です!逃げてください!」
アルが叫ぶ、当然こんな化け物に普通向かってくなんて大抵の人間はしないだろう。
「大丈夫だと思うぜー?もう1つは上手くいったからなぁ!」
話を聞いてからずっと考えていた、Lv1でどこまでなら干渉出来るのか。
まず思いついたのは相手ステータスの変更。
1ダメージでも与えられるなら相手のHPを強制的に1にすればいいんじゃないか?なんてのは試したが不可、けどもう1つは成功したようだ。
「一撃のヒット数増加!それくらいなら出来るみてーだな」
さっきと同じように石を投げる。
「スキル発動、ヒット数10000!」
石が当たった音が何度も鳴り続ける、動かなくなった混者は大きな音を立て倒れた。
「なっ?大丈夫だったろ?」
「…」
アルはポカーンと口を開けて動かない。
「あのー?終わりましたけどー…?」
「…混者の平均Lvってどのくらいか言いましたっけ…?」
「いや聞いてないけど…」
「差はあるんですけど平均46とかなんですけど…」
「え?こいつ確か70とかなかった…?」
俺が見たステータスが間違いでなければ、いや確実にLv 70となっていた。
「…面白そうなスタートじゃん?」
混者の死骸を前に世界を救うゲームが始まった。
いやー続くのかぁ…あ、夏白ログです。
割とまったりやってたら話考えてるんですよねぇ…
割といい感じに息抜きになるんですわこれが
てことでまたそのうち続きは上がります!
次回もよろしくお願いします!ではでは〜!