STAGE1:社畜と女神
……ん、やべ…そろそろ起きなきゃ遅刻する…ただでさえ毎日毎日うるせぇクソ部長が余計うるさくなる…まだ身体痛いってのに…。
「…はっ!今何時だ!…え…?」
見渡す限りの草原、やけに身体が痛いと思ったら家に帰って寝ていた筈のベッドは岩、というかベッドどころか部屋の壁すらない。
「…えー…嘘だろ…」
仕事はどうでもいい、だが俺の部屋は!?
合計で数百万もかけた俺の部屋は!?
「嘘だろ…」
事実あのブラック企業で働いて唯一の癒しであり趣味でもあった動画編集部屋がもう無い。
「あー…よし死ぬか」
「待って待って!?決断早いよ?」
「…」
なんか変な人来た…
「…誰?」
「貴方をこの世界に連れてきた者です!」
「OK、歯食いしばれ」
「ちょっと!説明しますんで一旦落ち着いて!?」
「うるせぇ!大切な物取られたヲタク舐めんなぁぁぁぁぁぁ!!」
「ギャァァァァァァァ!!」
そして俺は1時間程謎の女を追いかけ回した…
「はぁ…1時間も走って追いかけ回すとか本当に人間なんですか…?」
「元ブラック企業勤めの社畜だぞこちとら、2.3日の徹夜より楽だわこんなもん」
「えぇ…」
結局なんなんだこいつは…見た目はゲームとかによくある女神って感じだが…
「とりあえず自己紹介からしましょうか…私はアルと言います、一応世界を見守っている女神です」
…ガチ女神だったわ…
「そのテンプレ女神様がなんの用で?」
「テンプレ女神って…まあその通りですけど貴方にこの世界を救って欲しいんです、空薙陸さん」
「無理」
「…え?」
「いやだから無理だって」
「なんでそんなすぐに断るんですかー!いいじゃないですかー!ちゃちゃっと世界救うだけでいいんですよ!?」
「そんな近所のコンビニに買い物行く感覚で世界救うって何!?そもそも俺ただの社畜!てかそんなちゃちゃっと救える世界ならあんたがやれ!」
申し訳ないけどとっとと断って帰らしてもらおう、俺にはゲーム実況者というやる事があるのだ。
「…うぅ…いいじゃないですか…どうせもう元の世界に帰れないんですしー」
「は?今なんて…」
「だから陸さんはもうこの世界で生きるしか無いって事ですよー、元の世界ではもう死んでますし」
嘘だろ?もう死んでる?帰れない?
「あ、ちなみに極度のストレスと寝不足と栄養失調が原因で亡くなったみたいですよ」
…したくないけど納得。
「とりあえず話だけ聞きませんー?陸さんに断られたら私もこの世界と一緒に消えるんで」
「…どういう事?」
「世界を見守る女神って自分の見守ってる世界が滅ぶと一緒に消えちゃうんです、だからどうにかしてそのまま滅んでしまわないように対策するんです」
「…話が重いわ」
「まあ断られちゃいましたし大人しく帰りますか…あ、最後にこれだけ言っておきますね?まだ陸さんのやりたい事は出来なくなった訳じゃないですよ」
「え?」
「ではさよな…」
「待て」
「なんです?」
「俺のやりたい事ってゲーム実況者や動画作ったりがまだ出来るって事だよな?だったらやる…世界救うでもなんだってやってやる!」
所詮ただの社畜ヲタク、けど自分の好きな事を簡単に手放してたまるか!
はーいどうも夏白ログです。
ゲーム実況者の異世界での生き方、まさかの自分でも続き書くと思ってなかったですわ。
実際ゆっくり実況者として活動してるんですけど編集中って謎に色んなストーリー浮かんだりするんですよねー…そんな感じで作られているゲーム実況者の異世界での生き方、良ければ次回もご期待ください。
それではまた〜!