表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
中毒患者IQ2000~転生したのは知能指数に基礎魔力量が比例する世界でした~  作者: 茉瀬 薫
Ⅰⅰ 平穏(?)な転生

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

5/9

4.おちゃ、べ、り……に……ちゅい、て

女神様の信託から一週間が経過した。


あれから毎日、睡眠と栄養補給(意識隔離)を繰り返すだけの怠惰な毎日を過ごしている。

その合間に、周りの人たちの会話から言語を習得しようとしている。

ただ、視界がまだはっきりとしていないため、何を指して話しているのかがわからない。


早く目が見えますように!と願ったら、その日の夜に女神様(アリアフィディーナ)が夢に現れて、特別ですよ、とかふざけた口調で寝言を言いながら目が見えるようにしてくれた。

ありがとう!


目が見えるようになったよ!

バンザーイ!


―――ということで、喜び勇んで、現在進行形で言語習得中です。

今、部屋の中にあるものの名前は、だいたいわかるようになってきた。

それから、文法は恐らく屈折語だと思う。


日本語やトルコ語などは膠着語、中国語やベトナム語などは孤立語、英語などのヨーロッパ系言語の多くは屈折語、アイヌ語やエスキモー語などは抱合語。


わたしは一応、十代のうちにすべての言語を習得していたため、その成果によって、言語習得速度はそれなりに速いと思う。

テキストなしに一から、というのは初めてだけど、まぁ上手くいくんじゃないかな。

それとも、ちょっと楽観視しすぎかな?


……まぁいいや。

今日は、声を出すために、舌を動かせるように頼んでみよう。


 ◇◇◇◇◇


結論から言うと、断られた。


舌なんて所詮は筋肉、少しは自分できたえなさい、何でもかんでも甘えないの、と言われてしまったのだ。


暴論だ!

筋肉と一口には言っても、そんなすぐにつくものではないんだよ……。

必死に反論して抗議してたら、うるさいって強制的に締め出されたのだ。


ローマは一日にして成らず。


筋肉は一日にして成らず。


ねぇ、この二つ、ほとんど一緒だと思わない?

思うよね⁈

でも、ダメだって……。


まぁ、目が見えるようになっただけでも、かなり助かったから―――今回は許す。

でも、研究までの一歩が遠のいてしまった恨みは、忘れないよ。

誰でも、この気持ちには共感できるはず。


いつか、この貸しは返してもらうよ。


 ◇◇◇◇◇


えぇ?

貸しにされるいわれはないのに……。


わたくし、アリアフィディーナは、彼女の思考に思わずため息を吐いてしまう今日この頃だった。


―――まぁ、いつものことなんだけれども。


彼女の思考が常人の域を超えているのは、ずっと前から判明しているもの。

それを加味しても、かわいい者はかわいいし、賢い者は賢い。

研究一辺倒の彼女は賢すぎて、思考パターンが普通の人とは()()()()違うのよね、きっと。


これからも、温かく見守ってあげましょう。


 ◇◇◇◇◇


一週間が経ち、ようやく、ようやく!

舌の筋肉がそれなりに動くようになった。


……筋、肉……痛……。


ストレッチしすぎた。

急激にきたえようとしすぎた。


まぁ、そんなこんなもそのかいあって、ちょっと喋れるようになった。

うれしいことに、この期間内に、日常会話はだいたい理解できるようになった。


そして今は、片言のおしゃべりでいろんなことを教えてもらっている。

あんまり舌が動かないから、本当に片言な上に、赤ちゃん言葉になっちゃうんだよ。

残念。


目下の目標。


滑らかにしゃべれるようになる。

自分で、しっかりとした文章を構成できるようになる。


頑張るぞー!

曳々応(えいえいおー)

23,6,2024

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ