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アタシ達が確かに生きた証  作者: 海
序章 〜俺の生きた証〜
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終わりの始まり②

 俺が働く会社は、[ドリームクラフト]というアニメ制作会社で、今年で入社5年目となる。これまでは、[時計の針が指るす町]や[才色兼備のいろは]などの、主に感動系やラブコメ作品を多く手掛けてきた、知名度は低いものの、かなり有名作を多く手掛けてきた会社だ。受付の松下さんに『おはようございます!!』と元気よく挨拶をし、俺は自分のフロアに向かった。


俺達は今[伝えられなかった嘘]通称、伝嘘つたうそという主人公が幼馴染の子に思いを伝えられないまま死別し、異世界に転生する、異世界ファンタジー作品を作っている。俺は作画監督として、4話、7.8話、そして最終回の13話の作監の仕事を任されている、俺の担当するフロアは会社の最上階の7階にあり、極度の高所恐怖症の俺にはかなりキツイ環境だった。


だけど文句を言っていられる暇はない、毎日毎日部下の染谷そめやくんや、今村いまむらさん、野口のぐちくん達原画マンの書き上がった原画をチェックし、それでいて、他会社の作品の制作協力もするという、かなりのハードな仕事量なのだ、しかし、決して辛いわけではない、憧れだけで入ったアニメ制作会社の仕事は、最初は絵の勉強ばかりでしんどかったけど、入社2年目からは原画マンとして、アニメの制作に携われるように、だんだん自分の作ったアニメを世界中の人に見てもらえるという実感が湧いてからは、ひたすら制作にのめり込んでいった。


昼休みになりようやく休憩に入れた、『お疲れ様〜』と一つ下のフロアで仕事をしている茅野春菜かやのはるなさんが差し入れで缶コーヒーをくれた。茅野さんは美人で優しくて、俺たちドリクラの社員全員の憧れの存在だ、「茅野さん、いつもいつもありがとうございます。」『ふふ、気にしないで』


そして何を隠そう茅野さんは、伝嘘のキャラデザを担当し、総作画監督を任されている、研修期間の時に、俺に手取り足取り1から育ててくれた大先輩だ、『今週中に伝嘘の8話の納品間に合いそう?』「なんとか間に合わせようとは思ってるんですけどね〜なかなか厳しいです。」と、茅野さんの問いに答えた、『かなりしんどそうね、こっちもあと少しで9話のチェック終わるから、そしたらチャチャッと納品済まして、こっち手伝うからもう少し待ってて!』と茅野さんは応援してくれた、「ありがとうございます!」俺は礼を言うと、すぐに作画チェックに入った、茅野さんも社員達に一通り挨拶すると、すぐ自分のフロアに戻った。


昼の業務も全てこなし日が落ち始めた、時計を見ると6時になっていた。ドリクラは定時で帰る習慣を義務付けている、おかげでブラックな仕事量も残業もない、「そろそろ帰るか〜」と支度をしていたら『白石くん、ちょっといい?』と茅野さんが声をかけてきた。「どうしました?」と答えると、『この後2人で飲みに行かない?』という茅野さんの言葉を全て聞き終わる前に、「行きます!!」と即答した。

『じゃあ決まりね!』


茅野さんと2人で会社を出て、俺の車で会社の近くの居酒屋に向かった。



この後車で帰るから調子にのって飲まないよう、ある程度キープしつつ茅野さんと2人で楽しくプチ宴会をした。



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