異世界から人召喚したので、仲間にします。
やってしまった。
「え、あの、その、あ、えっと...」
俺の前には、一人の女性が立っている。
この人は、俺が遊び半分で召喚してしまった異世界人だ。
「あ、あの、あ、あ、ああああなたは?」
混乱している。そりゃそうだよな。それと、怯えてる?
「え、えっと、落ち着いて。俺はネイサン・フラウロス。駆け出しの冒険者だ」
「ぼ、冒険者?」
「ああ、ごめん。とりあえず、今の状況を説明する。いろいろ信じられないかもしれないが、黙っ て聞いてくれ」
「えっと、はい...」
「ここは、君のいた世界とは別の異世界だ。なんでこんなことになったかというと...その...」
「ど、どどうしたんですか?」
「ご、ごめん。君がここにいるのは、俺が召喚したせいなんだ」
「え...?」
「本当にごめん!」
「......」
だよな、そりゃそんな反応するよな。
「そ、その、まだ全然理解できないですけど、と、とりあえず何があったかは分かりました」
「そ、そうか」
うまく説明できたみたいでよかったな。
「あ、あの、この世界ってもしかして、魔法とかある感じですか?」
「え、あ、うん、そうだけど」
「本当ですか!」
おお、急に食いついてきたなぁ。
「あ、あの、えと、す、すいません!」
「大丈夫だよ!ちょっとびっくりしたけど」
「すいません...」
この子は自分に自信がないのかな。
「とりあえず、今はもう夜だから、寝よう。野宿しようと思ったけど、宿にとまろう」
「は、はい」
お金がないが、仕方がない。
でも、改めて見るとかわいいなこの子。
そういえば、名前きいてないな。
「ねえ、君は何て名前なの?」
「え、あ、わ、私は、中田寧々です」
「この世界とは全然違う感じだね。ナカタが名前でいい?」
「い、いや、寧々が名前です」
「なるほど。名前があとなんだ。じゃあ、改めてよろしくね、ネネ」
「え、あああはい!よろしくお願いします、ネイサンさん」
――――宿についた。
「ついたよ」
「あ、はい、ありがとうございます」
...! そういえば、同じ部屋に二人で泊まるのか...
「俺と二人になるけど、大丈夫?」
「え、ああ、あ、だ、だ、だだ大丈夫です...」
「ごめんね」
そう言って、俺達は宿の中に入った。
部屋についた。結構広いな。
俺は椅子に座って話し始めた。
「明日は君を冒険者ギルドに連れていくつもりだけど、大丈夫?」
「は、はい!」
ニヤニヤしてるな。前の世界では憧れだったのかな?
「改めてごめんね、いきなり呼び出してしまって。大事な人とかもいたよね」
「大事な人...」
「何か言った?」
「い、いえ、なんでもありません、大丈夫です。前の世界ではいいこともなかったですし」
「そう。ならいいんだけど...」
辛い思いをしてきたのかな。
「とにかく、明日は大変になると思うから、よく休んでね」
「はい」
そういって、俺はソファで、ネネは布団で眠りについた...