雪に青サギ 第八話
バレーの試合の描写、大丈夫かなぁ?
まだ、少しだけ続きます。
試合の時間になると、やたらと僕たちの試合だけギャラリーが多い。転校生と、元女子のエース、今の男子のエースが一緒にやるのだから無理もないかもしれない。ネットを挟んで、挨拶をする。
「手加減はしないからね。」
「お手柔らかにお願いします。大地がいる限り負けませんから。」
拓人と姉さんが隣で握手をしている。お互いに、力をかなり入れて挨拶していた。その光景を見て、左の頬だけあげて、僕は苦笑いをした。
「よろしくね。」
僕の正面にはさやかがいた。すこし見上げる感じになる。
「よろしくお願いします。」
彼女の手を握る。少し厚みがあって、大きいものの、指の一本一本は細くて綺麗だった。彼女は最後に、ぎゅっと力を入れて、手を離した。
「負けないから!!」
僕の周りには血の気が多い人が多くて困る。巻き込まれる方の気持ちも考えてほしい。
拓人がジャンケンで負けたので、こっちが先にレシーブ。一般的に、サーブ側が失点しやすいのがバレーボールなのだが、それを打つのが姉さんになると話は別。全然サービスじゃない。姉さんの馬鹿力で叩かれたボールは、轟音と共に、絶対に僕の真正面にくる。と言うより、僕だけしか狙ってない。
そんなこと考えていると、いつものルーティンが始まる。エンドラインの右端からゆっくり6歩下がりながら、少しずつボールを地面に叩きつける力を高めていく。6歩進んだら、正面を向いて、大きく一呼吸。自分側に回転をかけて、もう一度、ボールを地面に落とす。反動で帰ってきた、ボールを狙ったところに照準を合わせて、ゆっくり助走を始める。左手1本であげたボールに向かって、弓みたいに体のバネを利用して、全体重と力をボールに。
案の定、僕の真正面にきた。ドライブ回転がかかっていて、おそらく、僕の手前で落ちる。これは、あげるので精一杯。
バンッ。
カッコ悪い音が響いた。準備不足で、コートに入ったため、相手コートにボールが返ってしまった。
「準備不足!!」
「ごめん、ごめん。油断してた。」
「じゃあ、次な。」
「わかった。本気でするよ。」
今度は、僕がルーティンを始めた。