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雪に青サギ 第十五話


 試合前の挨拶。ネットを挟んで、姉さんとさやかのチームと並ぶ。男女だと、ほぼ必ずと言っていいほど男子の方が身長が高くなるのだが、今回は僕らの方が低い。流石に拓人よりも低い人はいないが、他がね、、、


「速太君、今日はよろしくね。」


速太に笑顔で話しかける姉さんだが、姉さんの噂とここ最近練習に来ているところを見ている速太にとって姉さんは怖い存在なのかもしれない。


「は、はい。よ、よろしくお願いします。」


姉さんに返信をするが、その声は震えていた。


僕の前にはさやかがいる。少し見上げる感じでさやかの顔を見ると、睨んでいるのか、じっと僕の顔を見ていた。


「負けないから。」


「今日は、リベロよりもセッターだから。」


「レシーブはするんでしょ?」


「速太1人だときついからするとは思うけど、その前に、速太に勝たなきゃね。」


僕は、速太の肩に手を置いて笑顔で答える。


「緊張しいだけど、実力は僕と同じくらいだから。それに、1年間僕と一緒に練習してるし、このままだと僕なんか簡単に超えるから。油断しない方がいいよ。」


さやかの大きな目が僕から離れて、速太を見つめる。速太は、僕の後ろに隠れてしまった。


「怖がらさないでくれるかな?」


僕がそういうがさやかの耳には入っていないみたい。だんだん目が優しくなってきて、


「可愛い、、、」


と小声で囁いた。それには激しく同意するが、速太も男。僕の練習技を握っている手の力が強くなった。わかるその気持ち。


「見返してやらないとな。」


「はい!!」


笑顔で少し僕を見上げる感じで答えてくれる。可愛いって言われても仕方ないって感じてしまう。どうやったらこんな子に育つのか。世界中が速太だったら、進歩はしないけど、戦争も争いもないだろうな。


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