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アストロノミー~超新星と呼ばれた十三星座~  作者: リオン・アルバーン
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6等星・特訓とリスク

円形劇場に着くと、烏野先輩と五角先輩が準備体操をしていた。

荷物はその辺に置いとけと言い、2人の元に行き何かを話する。


「よしっ!今日は俺が彼と特訓をしよう!」


「頼んだぞ」


勢いよく手を挙げる五角。

オリオンはそう言って、蛇好にある確認をした。


「本当に能力を1度も使ったことないのか?」


「多分、使ったことないです」


もし使っていたら、すぐに言ってますと答えると、だろうなと返される。

聞いといてその反応は酷いと思っていると、五角先輩に声をかけられた。


「愛救少年!気にすることはないぞ!」


オリオンは君の事を想って言ってるからな!と大声で言われる。


「そう、ですか」


俺は不安になりながら再び準備体操に戻った。


「準備体操が終わったら始めろ」


任せておけ!と大声で言う五角先輩。

俺は念入りに準備体操をした。


───────


あれから何分経ったのだろうか。


「はぁっ...はぁっ...」


「10分経った、1度休憩しろ」


「はっ、はい」


地面に倒れて、呼吸を整える。

円形劇場内を10分走っただけなのに、汗が尋常じゃない。

まるで砂漠で走ってるようだった。


「お~い、大丈夫か?」


「烏野先輩、なんとか...」


ほら飲めと言われ、お礼を言ってペットボトルを受け取り一気飲みすると

少し強めの炭酸がぱちぱち弾け、ほろ苦い甘さが口いっぱいに広がる。


「ぶっ、ごほっごほっ」


貰った飲み物をよく見れば、これは一部のコンビニにしか売られてない‘グリュキュ’と呼ばれる炭酸飲料だ。

誰がこんな甘ったるい飲み物を飲むんだと考えていると


「あっ、わりぃ、それオリオンのだわ」


いつもの癖で渡しっちまった!と笑って言う烏野先輩、今オリオンさんが飲むって言ったか?

嘘だろ、こんな炭酸飲料を飲む人に全然見えない、寧ろお水とかしか飲まなそう...


「ふざけてないで、水飲ませろ」


オリオンさんが烏野先輩をチョップして、グリュキュと水を取り替えてくれた。


「いって~っ」


「すみません、ありがとうございます」


「倒れられては修行の意味がない」


休憩したら再開するぞと言い、グリュキュを飲んで行ってしまった。

俺は、貰ったお水を一気に飲んで口を潤した。


その後、走っては休んではの繰り返しだった。

たまに五角先輩が一緒に走ってくれたり、烏野先輩は頑張れよ~と声をかけてくれたりしてくれていたが、

肝心のオリオンさんは...


「...」


本読んでる、教えてくれるのでは!?とツッコんでしまいそうになった。


「愛救、休憩しろ」


そして再び休憩タイムに入る。


「そろそろ俺っちたちの出番か?」


烏野がオリオンを見て言うが、まだだと返す。


「あのっ、オリオンさん、何で俺走らされているんですか?」


今更だなと言うオリオンさん、突然走るように言われたんですからと苦笑いして答えた。

鞄からスケッチブックを取り出し、何かを描き始めた。


「とりあえず、この絵で説明しよう」


オリオンさんが見せたのは蛇の絵、しかもめっちゃ可愛い、そしてその上に俺の名前が書いてある!?

どうしよう、説明より絵が気になる...


「お前、聞いてないな」


「えっ、あっ、いや」


烏野先輩がやっぱりその絵のギャップのせいだろうなと笑って言う。

この方が説明しやすいだろとスケッチブックを閉じて鞄にしまった。


「俺っちが説明してやるよ、今の愛救に足りないのは体力だ!」


「体力?」


「お前、運動苦手だろ、まだ能力を使える体力が足りねぇんだよ」


もしそんな状態で能力使ったら...と真剣な顔で言う烏野先輩


「使ったら、どうなるんですか?」


「...死ぬな」


「しっ!?」


真面目に説明しろと言われ、オリオンさんに頭を叩かれる烏野先輩


「死にはしない、ただ能力を手に入れるには体に負荷がかかるリスクがある」


今ならやめることもできるが、どうする?と聞かれる。


そんなの決まってる、今更やめるなんてことはしない!


「いえ、俺は能力を扱えるようになりたいです!」


ご指導の方、お願いします!と頭を下げて言う、その覚悟があるのなら問題はないなと言うオリオン。

俺っちたちに任せとけ!と喜んでいる烏野、燃えて来たーっ!!と叫ぶ五角。


いい先輩だなと俺は思った。



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