3等星・生徒会
次の日、あれから俺はオリオンさんの言葉がずっとループする。
そんな事を考えていたら、全く寝れず登校していた。
「俺の教室は確か1ーβ、ここか」
教室に入る前に一度深呼吸してドアを開ける。
クラスメイトの視線が集まる中、俺の傍に駆け寄ってくれたのは。
「愛救君!おはよう」
同じクラスだったんだよと笑顔で言う未央。
一緒でよかったと安心していると、後ろから声をかけられた。
「おい、邪魔だ」
振り返ると、昨日の狼男が立っていた。
「あっ、ごめん」
「...チッ」
ドアの前から離れると、狼男は舌打ちして中に入り、窓側の席に座った。
よりにもよって、昨日問題を起こした相手と同じクラスだったとは。
「今日は新入生歓迎会があるだって」
楽しみだねと言う未央ちゃんに対して、そうだねと返す。
____
学園内を周り、広すぎて忘れないようにと先生に言われる。
そして、新入生歓迎会が行われる円形劇場の観覧席に座ると、何故か狼男が隣に座った。
他にも席が空いているのに、狙われたかもしれないと内心ビビっている。
「愛救君、円形劇場凄く広いね!」
「そうだね」
俺は二回目だけどと心の中にとどめていると、先生が説明し始めた。
「ここは能力自慢に使われていた所で、自分の星が描けなければ中には入れないからな!」
「星がない人はどうするんですか?」
「専用のカードを作ってもらえるが、ここに能力なしが入ってくるのは滅多にないからな」
他に質問はないか?と聞かれるが、誰も聞かずに終わった。
「そろそろ始まるな、静かにしてろよ」
先生が席に座ると同時に、闘技場内に現れたのはオリオンさんと二人の男だった。
「オリオンさん」
「あの女!!」
俺と狼男はオリオンさんを見て驚く。
未央ちゃんはそんな俺らを見て、不思議そうに聞く。
「二人共知り合いなの?」
「俺を助けてくれた人で、この学園で最強って呼ばれる人」
「何!?」
隣の狼男は驚き、あの女がとグルルッと唸る。
闘技場を見るとオリオンさんはストレッチしていた。
「オリオン、俺たちに任せてくれ!!」
「大丈夫だ、私が話す」
‘これから新入生歓迎会を始めます、まずは生徒会メンバーのご紹介です。’
オリオンがマイクを持とうとすると、銀髪の男がマイクを手にして喋りだした。
「どうも~!生徒会副会長をやってる‘烏野羽白’で~す。こっちはうちの会長、オリオンだ。」
そんでもってこっちは‘五角英理空’と紹介するとオレンジ色の髪の男が前に出る。
「新入生諸君、元気か!俺は元気だー!」
観覧席にまで響く声に驚き、全員耳を塞ぐ。
「煩いぞ英理空、羽白、続けろ」
オリオンの一声で、すまん!と謝る英理空、その後に説明が再開される。
「俺っちたちはこの学園で一番強くてな、特にオリオンが!」
まぁ、かくいう俺っちもつえーんだけどと笑って言う羽白。
「俺も強いぞ!」
英理空が手を挙げて言う。
「そうだな、俺っちの次にな」
急にピリッと空気が重くなり、さっきの男たちがオリオンさんを挟み睨みあう。
「なんか喧嘩しそうだけど、大丈夫かな?」
「やばそうだな」
オリオンは溜息をつき、羽白からマイクを奪う。
「ここでは年齢の幅が広く、理由があって高校に行けなかった人も通う。とりあえず、この学園を楽しむこと、卒業することを目標にしてくれ」
生徒会からは以上と言い、その場を去るオリオン。
「待てよ、オリオン」
羽白たちはオリオンの後を追いかけた。
そして、再び放送が流れ、部活紹介が始まった。