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アストロノミー~超新星と呼ばれた十三星座~  作者: リオン・アルバーン
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10等星・喧嘩

「大上君、どうしたんだ?」


「よぉ、丁度いい所に来たな」


能力のこと教えてやっから円形劇場に行くぞと言う大上君、流石にやりっぱで行くのはまずい。

今は先生の頼まれごとをしてるから、明日でもいいかな?と返す。


「駄目だ、今来い」


大上が早くしろと言い、苛立ち始める。

愛救は分かったよ、すぐに行くから待ってくれ!と言う。


「愛救君、狩馬君、こっちは終わったよ...大上君!」


何してるのと言い近付く未央ちゃん、大上君は嫌そうな顔をして俺の首根っこを掴む。


「行くぞ、あの女が居ると面倒だ」


「また喧嘩する気なの!」


やめて、お願いだからと大上の腕を掴む未央、それにうるせぇ!と言い未央を振り払う。


「きゃっ」


「未央ちゃん!」


腕を押さえて倒れてしまう未央、愛救は大上から抜け出し駆け寄る。

大上は一瞬、その場に留まるも舌打ちをして去ってしまった。


「大上君!...未央ちゃん、すぐに保健室に行こう」


未央ちゃんを抱えて保健室に向かった、狩馬君も一緒に来てくれた。

保健室のドアを開けて中に入る、サルース先生が包帯をしまっていた。


「先生!未央ちゃんが...」


「どうしたのその怪我!」


とりあえずベッドに寝かせて、すぐに治療するからと言われて未央ちゃんを下ろす。

サルース先生が能力を使って治していく。


「なにがあったの?」


「階段から落ちて、立てかけてあった物に当たって」


俺が大上君の事を話そうとしたら、未央ちゃんが全く違うことを話す。


「愛救君、狩馬君、心配かけてごめんね」


「...未央ちゃん」


「雪星さん、今日はもう帰ってゆっくり休んで」


はい、愛救君、狩馬君、後はお願いと言って保健室を出て行く。

サルース先生が俺たちを見て、本当は何があったの?と聞かれる。


「実は雪星先輩が、連れて行かれそうになった蛇好先輩を助けようとして、あの怪我を」


「誰にやられたの」


「不良の大上先輩です」


彼がそんなことを、私から担任に言っといてあげると言うサルース先生。

大上君のあの表情が気になる...


「サルース先生、俺のせいで未央ちゃんが怪我したんです、俺が何とかします!」


「どうする気なの?」


「明日、大上君に話し合いします」


その言葉に驚く先生と狩馬君、説得してどうにかしますと言って保健室を出て行った。

声を掛けられて振り返ると、狩馬君が駆け寄る。


「今の嘘ですよね、不良の彼にそんなことが通用するわけがない」


「...やっぱり駄目か~」


何とかしようと思ったんだけど言うと、狩馬は少し考えてスッと手を挙げて言う。


「俺も手伝っていいですか?」


「狩馬君、でも君は...」


俺は蛇好先輩みたいに能なしじゃないのでと言う、その言葉は結構心に来るんだけどと言う愛救。


「何かあったら俺が守ります、オリオン先輩もきっとそうしますし」


「ありがとう、何とか大上君を説得してみせるよ」


明日の放課後、大上先輩を教室に呼びましょうと言う狩馬君。

頑張って説得するね!と言うと、応援してますと言ってくれる。


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