表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/13

ウンザリって、言った?

9/20

読んでくださりありがとうございます。

悪い事をした人に因果応報があった事実が有耶無耶だったので、また、とってもきれいな筈のイルヴァが男の子達に脅えられているのはなぜか、という設定が書ききれていなかったので二話を追加しました。

9/21 誤字脱字報告ありがとうございます。

設定もいくつかの部分であとがきに書き加えました。

 俺は学園の庭の一角にあるオープンカフェ、白くて丸いテーブルに白い椅子という組み合わせの一つに腰を掛け、目の前の美少女の仕草を見つめていた。

 彼女は俺に意識を向けているが俺に意識など向けていないというそぶりで、いつものように読んでもいない詩集を開いている。


 読書をしている女性に話しかけてはいけない。


 その通りだな、と俺は思った。

 彼女が読書をしていて話しかけられないのであれば、俺は好きなだけ彼女の美しい白い肌や長いまつ毛などを堪能できるのである。

 その視線には俺が彼女にキスをして辿ったら、という邪なものが含まれているが、そんなものを含むせいでいつも俺は声も出せないぐらいにむっつりと黙り込むしかないことになる。

 自分を押さえねばどこかが猛ってしまうからだ。


 さて、そんなくだらない俺の視線に蹂躙されている彼女は、茶色の髪に茶色の瞳のどこにでもいる組み合わせの、中身はどこにでもいないものが詰まっているという子爵令嬢だ。

 いや、卵型の美しい輪郭に猫の目みたいな大きな目が輝き、綺麗な三角形の鼻やキスしたくなる下唇だけ少しぽってりした唇という組み合わせの彼女は、めったにいないだろう美少女でもある。


 だがしかし、そんな素晴らしき美少女と俺が婚約者となることについて、俺個人は素晴らしい事だと思ったのに、周囲はそうでも無かったことが問題だ。


 それは、王子である自分と子爵令嬢でしかない彼女では身分差というものがあるとの指摘だ。これについては、俺が王位につく気持ちなどこれっぽっちも無いと考えてくれるものと思ったが、自分の考えが浅かったようだと俺は認める。

 けれど言い訳させてもらえれば、十五歳の子供にどこまで期待するのか、だ。

 クリストファー王子かニコライ王子かと二派に分かれている上級貴族達よりもはるかに数の多い下級貴族、そして民衆の支持、それらを手に入れるために下級貴族の娘と婚約って十五歳の子供が考えますか?俺はそんなに頭が良くないですよ!だ。


 さらに残念なことに、将来父親になる彼女の父こそそのように考えるらしく、未来の王となる俺に絶対的な忠誠と、余計なお世話の采配をしてきたのである。

 つまり、イルヴァに護衛官並みの鍛錬を施した、という事だ。

 俺は婚約をしたその日から、美しき年下の婚約者から、見守り守られる立場になってしまったのである。

 子供時代に賢い彼女に救われた俺は彼女に一目ぼれして、十五になった年に婚約を申し出ただけなのに、一体どうしてこんなことになったのやら!


「ねえ、ノア?わたくしはいつまで婚約者でいればいいの?」


 突然の言葉、いや、これは彼女の新しき挨拶言葉に違いないと俺は思い込もうとしているが、彼女の茶色の瞳、琥珀か高級なブランデーのようにとろんとした美味しそうな輝きを見せる美しい瞳は、俺に愛の一片も無いという事を見せつけるぐらいにいつものように明瞭だった。


「わたくし、この関係にうんざりですのよ。」

王位継承の設定

父から子へ、だが、子は兄弟がその順番に継ぎ、兄弟の子供達はその後、と男系の子孫が継ぐ仕組み。

①先王→②長男(ノアの父:暗殺)→③次男(クリストファーの父:現王)

次代の王位は先王の末の息子ニコライで決まるはずが、悲劇の王子ノアが持て囃された事で、天使のようなクリストファーの側近達がクリストファーを王にしたいと勝手に動いている。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ