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剣球 (xvii)
「漂木くんたち、どう? すぐに解けそう?」
黒板近くの席や教壇に陣どる解答チームに感触を尋ねる。問われた漂木隼冊が、黒板と手もとのノートの間に視線を往復させて答えた。「ぱっと見なら746円なんだろうけどたぶん違うはず。きっとひねりがいる」
クラス全体に呼びかけたように、環もすでに問題はひととおり目をとおしてあるが、改めて問題文を読んでみる。
Kさんは昼にハンバーガーを食べ、夜は友達と食事に出かけた。
その日の外食で使ったお金は3746円で、夜は昼より3000円高かった。
昼食代はいくらか。
彼の言うとおり、直感的には単純に3000円を引いた金額が答えのように思える。が、おそらく違うのだろう。解答チームのメンバー以外も口をそろえて、746円じゃないの、と言っていたところからも十中八九違うとみていい。そんな容易に解ける問題を出すとは思えない。やはりまずはヒントが必要か。
敵を攻撃して引き出してもらおうと思ったとき、あっ、とクラスの声があがった。




