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ルール (xvii)

 教室内は、不自然なまでに静まりかえっていた。

 多くの生徒がてんでばらばらに座り込んでいる。ほとんどすべての者が言葉をなくしていた。


 ルールはほかにもこと細かく記されていたが、先のほうも読み続けている者は数えるほどもなかった。

 外に助けは頼めない。数学の不得手な者ほどモンスターと戦わされる。死傷と背あわせのゲームから逃れるすべはない。ここまで知ればもうじゅうぶんだ。


 不条理きわまりない話のうえ、どのような原理で起きているのかもまったく不明。多くの生徒が不安と混乱で、この事態にどう対処すべきか図りかねた。


 担任教師はなにを思ってこんなことをしでかしたのか。この場にいれば全員でとり囲んで詰問しただろう。こんな馬鹿げた企てをやめさせることもできた。今となってはそれもかなわない。


「枡田の野郎」


 荒古戸(あらこど)(じん)がいつもにまして鋭い目つきで毒づいた。

 それを呼び水に、ほかの生徒もぽつぽつと怨嗟を口にしはじめる。


「マスティーがこんなことをしなけりゃ」「死ぬ目にあうようなこと、生徒に強要するとか教師失格。アタマおかしい」「教育委員会に訴えたらあいつ絶対クビだよ」「クビっつーか、普通に犯罪」「死刑レベルだろ。もう死んでるけど」「自業自得だよ」「いい気味」


 あけすけに罵るクラスメイトに反論する者があった。


「俺は、そんなに悪い先生だとは思わない」

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