ルール (xiii)
一方で、やはり成績不振者には厳しいシステムもあった。
モンスターを攻撃することによって黒板に表示されるヒントとは別に、問題を解く手がかりを提供した者や、正解へと導いた者はランクが上昇。逆にミスを犯した者はランクが下降する。
実質、数学の苦手な生徒が上昇する機会は課題解決、すなわちモンスターとの戦いに限られる。救済措置もかすむひどい階級制度だ。
このランキング制を人質にとった次のルールが、先ほど、環が注意をうながしたことがらに関わる。
・禁則事項に違反した者はペナルティーが科せられ、
程度に応じて選出率が上昇する。
詳細は別項を参照。以下に代表的なものを挙げる。
・外部との通信 ・計算機の使用
救急に通報した征従、ネットで調べものをした者、なんの気なしにSNSをチェックした者までぞっとした。次のステージに選出される率が上昇しているのであればたまったものじゃない。嫌な汗が出る。たまたままぬがれた生徒も、一歩間違えたら自分も、と冷や汗ものだ。
一方で、征従の通報によりまもなく救急隊が到着し、この教室にも助けが来るのではないか。その望みは、アプリに書かれたルールが丁寧に断ってくれた。
・ルームとフィールドは現実の存在する空間から切り離される。
通信を除くいかなる手段をもってしても相互の物理的干渉はできない。
・すべてのステージをクリアしたとき、現実世界に帰還できる。
つまりは全員、完全に閉じ込められてしまったらしい。




