表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
184/184

和解 (xvii)

 正確には、ひとりだけこのコスプレまがいの経験者がいるにはいる。それも今日、先ほど体験したばかりのほやほやの男子生徒が。


「うおぉおわあっ?」


 午角力が、マッサージチェアで初めて尻の揉みほぐしモード(強)でも体験したかのような情けない声と姿勢で、地上から数十cmほどへ浮き上がっていた。彼を囲む一同も、おお、と感嘆の声をあげる。浮遊能力を付加する靴の効力だ。歩行困難のステータス異常の力を救済し、また、(てき)のリーチの範囲外から弓で攻撃するという、守勢から攻勢に転じる作戦だ。


「気分はどう?」1mほどの高さに上昇した力に、天戸羊が感想を尋ねる。


「どうもこうもねえよ。なんかふわふわしてて落ちそうで怖えーって、これ」

「なら俺によこせ。つーかギューカク、一瞬でいいから試させて」


 澤寅にねだられて「おもちゃで遊んでるわけじゃねえから」と1.5m程度の高さからおっかなびっくりの体勢で抗議。


「いーなー。あたしも飛んでみたいー」


 うらやましがる市川あまねは「この2mぐらいの高度でもうパンツ丸見えだぞ」と冷ややかに頭上から返され「あっ」とスカートを押さえた。


 皆、忘れているふしがあるが、現在、ステージの真っ最中であり、数十m先で不穏当な生き物が待機(スタンバイ)状態である。先ほどまで全員、足が震えていたのはなんだったのか。


「思ったんだけど」


 地上3mの高度まで上昇し、高いところに乗せられた犬のようにへっぴり腰の力の姿に、三宅まどかが言った。「その靴があれば、ギューカクを教室に戻して誰かと交代できるんじゃない?」


 提案に、プレイヤーだけでなく教室のサポーター勢も「あっ」「ほんとだ」と反応する。

《毎日、更新中》

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ