マオ
「 ──で、セロは高見の見物宜しく、優雅にお茶の時間を満喫かよ 」
セロフィート
「 いけません?
指導者とは “ いざ ” という時に動ける様に全てを把握しつつ、指示を出し、周りの者を動かすものです 」
マオ
「 “ いざ ” なんて事、起きないだろ! 」
セロフィート
「 気持ちの問題です 」
マオ
「 気持ちの問題で起きても困るんですけど!
…………所でさ、海水で本当に苦汁,塩,真水が取れるのか? 」
セロフィート
「 本来は苦汁と塩だけです。
海水を熱で蒸発させて塩を作ります。
水分は残りません 」
マオ
「 じゃあ、何でだ? 」
セロフィート
「 古代魔法を使う為、水分を飛ばしません 」
マオ
「 へ?? 」
セロフィート
「 先ず、魔法陣 が描かれたシートを平らな場所に敷きます。
魔法陣の中から必要な道具が出て来ます。
巨大なフラスコの中に青色の篩をセットします。
其の上に黄色の篩をセットします。
後は桶に汲んだ海水をフラスコへ流し込むだけです。
黄色の篩の中に苦汁が溜まり、青色の篩の篩の中に塩が溜まり、フラスコの中に真水が溜まります 」
マオ
「 へぇ?
そんな簡単に分けれちゃうんだな 」
セロフィート
「 苦汁は縁が黄色の樽の中へ入れ、塩は縁が青色の樽の中へ入れ、真水は井戸へ入れます 」
マオ
「 井戸ぉ?
井戸なんてあったかな?? 」
セロフィート
「 屋根付の井戸を作りました。
休憩したり、物を置ける様にベンチも設置してます。
海水で食器や衣服を洗う訳にはいかないでしょう?
汚れた生活用水は、芝生に流すと濾過される様にしてます 」
マオ
「 芝生迄?
食器を洗った後に出る食べ残しとかはどうなるんだよ? 」
セロフィート
「 排泄物と同様、肥料にします 」
マオ
「 排泄物……。
あっ…そう言えば、此処の便所って何処にあるんだ? 」
セロフィート
「 共同便所作りました。
下に魔法陣があります。
排泄物は魔法陣の中で肥料に変わります。
出来上がった肥料は肥料庫に溜まります 」
マオ
「 若しかして、食べ残しとかも共同便所に捨てるのか? 」
セロフィート
「 まさか。
共同便所の隣に生ゴミ専用のゴミ捨て場を作ってます。
共同便所とゴミ捨て場の天井には魔法陣があり、悪臭を消臭します。
汚れませんし、常に清潔で衛生的にしてくれます 」
マオ
「 生ゴミも魔法陣の中で肥料になるのか…。
其の肥料を畑で育てる野菜や砂糖黍畑に使うんだ? 」
セロフィート
「 そうです。
貝殻,卵の殻,砂糖黍の皮,野菜クズ、魚の鱗,骨,動物の臓器等も生ゴミとして捨てれば肥料になります 」
マオ
「 生ゴミと排泄物を再利用するから肥料代が浮く訳か〜 」
セロフィート
「 そういう事です 」
マオ
「 畑には砂糖黍以外に何を作るんだ? 」
セロフィート
「 豆は外せませんね 」
マオ
「 豆? 」
セロフィート
「 大豆です。
大豆は使い方次第で、お肉の代わりになります。
大豆からは、栄養満点の豆乳とオカラが取れます。
苦汁を使えば豆腐も作れますし、油揚げも作れます 」
マオ
「 へぇ?
大豆って凄いんだな〜 」
セロフィート
「 万能芋も育てましょう 」
マオ
「 万能芋ぉ? 」
セロフィート
「 煮る,蒸す,炒める,焼く,揚げる,擂る,濾して、捏ねれば、団子,麺,皮も作れます 」
マオ
「 へぇ〜〜。
本当に万能なんだな 」
セロフィート
「 野草は葉野菜の代わりになります。
森の中には野菜として使える果物も何種類かありました。
食料難に陥らない為にも、其等を何時でも栽培出来る様にします 」
マオ
「 砂糖は?
砂糖はどうやって作るんだ? 」
セロフィート
「 古代魔法を使うので簡単に作れます 」