❗3.小屋 2 〜 作戦会議 2 〜
マオ
「あ〜〜でもさ、動物を捕まえるならさ、弓とか槍とか刃物や道具,罠が必要だよな?」
セロフィート
「飼育をすれば、ナイフだけで済みます。
小さな牧場を作りましょう。
竈を作り、土器の作り方も教えましょう」
マオ
「教える事が沢山あるじゃないか。
覚えてもらう迄時間が掛かりそうだよ…。
此じゃあ、≪ 港町 ≫に帰れるのは何時になるんだよ〜〜」
セロフィート
「そんなに掛かりません。
大抵の事は〈 古代魔法 〉で済ませますし」
マオ
「そうなの?
〈 古代魔法 〉で殆ど出来ちゃうもんなのか?」
セロフィート
「〈 古代魔法 〉は忙しい人の生活を少しでも楽にする為に生み出された生活に密着した〈 便利魔法 〉ですし。
本来ならばこういう時にこそ、使う〈 魔法 〉です」
マオ
「そうだったな……。
〈 古代魔法 〉を生み出した人の目的は、如何に楽して日々の生活を送るか──だったよな…。
かなり駄目人間な発想だと思うけど…」
セロフィート
「そうです?」
マオ
「だってさ、何でも彼んでも〈 古代魔法 〉を使ってたらさ、堕落した生活をする事になるじゃんか。
怠け者になっちゃっうだろうし、駄目人間だろ?」
セロフィート
「〈 古代魔法 〉は万能ではないです。
何でも出来る訳ではないです。
当時は〈 古代魔法 〉を1つ発動するのも苦労してましたし。
簡単に〈 古代魔法 〉を発動させれる者は極僅かでした。
其に駄目人間と言うより、駄目天使の方が合ってます」
マオ
「…………〈 天使 〉かぁ…。
〈 天使 〉がさ〈 時空の亀裂 〉に吸い込まれて≪ エルゼシア大陸 ≫に来たりする事もあるのかな?」
セロフィート
「無いとは言い切れません。
〈 時空の亀裂 〉を通った〈 天使 〉は〈 墮天使 〉となります」
マオ
「だてんし??」
セロフィート
「〈 時空の亀裂 〉を通ると負のエネルギーの影響で身体が変換されてしまいます。
〈 天使 〉では要られません。
間違いなく人間にとって脅威の存在となるでしょう。
〈 墮天使 〉は〈 魔族 〉より質が悪いです」
マオ
「〈 魔族 〉より?!
何でだ??」
セロフィート
「〈 魔族 〉には大なり小なり理性があります。
〈 墮天使 〉に理性はないです。
〈 魔族 〉より欲望に忠実で殺戮を好みます。
戦う事になれば、厄介な相手になります。
〈 魔族 〉の方が〈 墮天使 〉に関わらない様に徹する程です」
マオ
「そ、そうなんだ…。
…………ロードさんもかな??」
セロフィート
「ロードさんはLVが高いですし、〈 墮天使 〉を前にしても大丈夫です」
マオ
「そうなのか?
ロードさんって凄いんだな?」
セロフィート
「──さ、もう寝てはどうです?」
マオ
「セロは?」
セロフィート
「ワタシは起きてます。
マオは安心して眠ってください」
マオ
「オレだけ寝るのかよ…」
セロフィート
「どうしました?」
マオ
「………………」
セロフィート
「マオ?」
マオ
「嫌だ…」
セロフィート
「はい?
何が嫌です?」
マオ
「…………1人で寝るのだよ!
セロと寝たい…(////)」
セロフィート
「ワタシは何処にも行きません。
手、握ります?」
マオ
「手じゃなくて!」
マオはセロフィートの首に両腕を絡ませ抱き付いた。
セロフィート
「マオの甘えん坊さん。
君、大人でしょう?」
マオ
「──こうゆう時ばっか大人扱いすんなよ!」
セロフィート
「子供扱いすると怒るでしょう」
マオ
「いっ…今は、子供扱いしてくれていいんだよ!」
セロフィート
「マオの我儘さん」
セロフィートは幼い子供をあやす様にマオの背中をポンポンと軽く叩く。
セロフィートに抱き付いたまま、マオは何時の間にか眠っていた。
セロフィート
「おやすみ、マオ」
セロフィートは座り心地の好い1人用の椅子を出すと、マオを抱いたまま腰を静かに下ろした。
セロフィート
「( ジェリさんに関する記憶を改竄しなければ──ね。
《 港 》で別れた事にしましょう )」
マオの頭の上に〈 魔法陣 〉が現れ、光る。
セロフィートはマオの頭を優しく撫でながら微笑むのだった。
此の様にして、マオは知らず知らずの内に無断で勝手にセロフィートの都合で記憶を改竄され続けているのだった。