❗3.無人島 1 〜 隠れ家 1 〜
──*──*──*── 数時間後
──*──*──*── 無人島
──*──*──*── 隠れ家
──*──*──*── 小屋
マオ
「……………………。
此処…何処だよ??」
ワッフルを食べたマオが眠りに就いてから数時間、《 海賊船 》は〈 亜人種 〉達が《 隠れ家 》としている≪ 無人島 ≫に入港した。
《 港 》は〈 亜人種 〉達の手製だ。
眠っているマオをお姫様抱っこしているセロフィートは、〈 船長 〉に案内された《 小屋 》の中へ入った。
手製の簀の上には、動物の毛皮で作ったシーツらしき物が敷かれていた。
其の毛皮の上に眠っているマオを寝かせたセロフィートは、マオを守る為に《 小屋 》の中に〈 古代魔法 〉を発動させると〈 結界魔法 〉を張った。
《 小屋 》から出たセロフィートは、〈 船長 〉の〈 獣族 〉に、プレゼントしたい男性が2名居る事と、どちらも40代の年配である事を伝えた。
〈 獣族 〉は仲間達と話し合う事を告げた。
《 小屋 》の外でセロフィートと〈 船長 〉が話をしている其の時に、マオは《 小屋 》の中で目を覚ましたのだ。
マオ
「…………セロ〜?」
上半身を起こしたマオは、自分の周りを見回してみる。
粗末に見えるが、丁寧に作られている事が分かる。
マオ
「( …………土の匂いがするし、《 海賊船 》の中じゃないよな?
もしかして〈 亜人種 〉の《 隠れ家 》に着いたのかも…。
セロは何処に居るんだよ?
何でオレの傍に居てくれないんだよっ!!
むう…。
後で、絶対に文句、言ってやる!!
…………けど、何でオレ…寝てたんだろう??
確か…《 海賊船 》の甲板に上がってから、セロとジェリさんと一緒に《 船長室 》に行って…………、セロが〈 船長 〉っぽくない〈 獣族 〉と話を初めて……、〈 獣族 〉が《 船長室 》から出た後、セロが用意してくれた紅茶と……、そうだ!
3人でワッフルを食べたんだったよな。
初めて食べる焼き菓子で、ジェリさんも驚いてたっけ!
あっ、ジャムを紅茶に溶かして飲んだり、ジャムを口に入れてから紅茶を飲んだりもしたっけ!
其から〜〜〜えぇと……覚えてない??
セロとジェリさんとお茶の時間を楽しんでたのは覚えてるのに……。
其の後の事が思い出せない…。
お腹が膨れて寝ちゃった──とか??
いやいやいやいや、満腹になるなんて事はないし!
………………セロに聞いたら判るかな?
其にジェリさんも居ないし… )」
毛皮の上から腰を浮かして立ち上がったマオは、《 小屋 》から出る事にした。
コートは羽織ったままで、ブーツも履いたままだ。
双刀と双剣も装備したままな事に気付く。
勿論、ポーチバッグも付けたままだ。
何も取られていない事が分かり、マオはホッと一安心した。
《 小屋 》には窓がなく、ドアも付いていない。
ドアの代わりに暖簾の様な物が取り付けられている。
暖簾を上げて潜ったマオは《 小屋 》の外にセロフィートの姿を見付けた。




