❗3.海賊船 6 〜 船長室 3 〜
セロフィートが出してくれたワッフルを食べ終えたマオは、ミックスジャムを溶かした紅茶を飲み干した。
セロフィート
「気持ち、落ち着きました?」
マオ
「え??
………………あっ!
ジェリさんの事か!?
ワッフルが美味しくて忘れてた!!」
セロフィート
「ふふふ(////)
良かったです」
マオ
「いや…忘れたら駄目だろ…。
( ジェリさん、御免!! )」
セロフィート
「紅茶とジャムには、もう1つの楽しみ方があります」
マオ
「聞けよ…」
セロフィート
「ジャムをスプーンにすくって、口に含んだ状態で紅茶を飲みます。
紅茶の温度を下げたくない時の飲み方です。
成人になると、お酒を入れてジャムを伸ばします。
紅茶にジャムを入れませんから、1度に数種類のジャムを楽しめます」
マオ
「へぇ…。
紅茶に溶かさないんだな〜。
どんなジャムでも良いのか?」
セロフィート
「ベリー系のジャムが合います。
甘味と酸味を感じる事の出来るジャムです。
甘さの濃厚なジャムも相性は良いですね。
風味の強いローズジャムなら、バラの華やかな香りが楽しめます」
マオ
「ベリー系のジャムなら──、今、食べてるミックスジャムが紅茶に合ってるんだな!」
セロフィート
「そうです」
マオ
「えぇと……ジャムをスプーンですくって……と──」
セロフィートに教えてもらった様に、口にジャムを含んだ状態で、ティーカップを口に付け、紅茶を口に含んだ。
口の中で温かい紅茶にジャムが溶かされていくのが分かる。
ミックスジャムの風味と紅茶の風味が口の中で溶け合い混ざると同時に、口内から香りが鼻を通り抜けた。
マオ
「──オレ、此方の飲み方の方が好きかも!」
セロフィート
「気に入りました?」
マオ
「うん♪
セロの淹れてくれる紅茶は、何も入れなくても十分美味しいけど、此の飲み方も有りだよ!」
セロフィート
「マオが喜んでくれて嬉しいです」
マオ
「〜〜〜(////)
──セロはさ、どっちの飲み方が好きなんだ?」
セロフィート
「ワタシです?
紅茶に溶かして飲むのが好きです」
マオ
「あ……、そう…なんだ…」
セロフィート
「おや?
ガッカリしました?」
マオ
「べっ別に!
ガッカリなんてしてませんけど!!(////)」
セロフィート
「はいはい。
そういう事にしときましょう」
マオ
「『 違う 』って言ってるだろ!(////)」
セロフィート
「後者の楽しみ方は、食いしん坊さんなマオに似合ってますよ」
マオ
「はぁぁぁぁ?!
食いしん坊なのはオレじゃなくて、セロの方だろ!」
セロフィート
「マオには敵いませんけど?」
マオ
「オレを『 勝手に食いしん坊にするな! 』って言って──ぅん??」
セロフィートの『 食いしん坊さん 』発言にムキになったマオが言い返そうとした時、マオの左頬にセロフィートの唇が触れた。
マオ
「──なっ…ななななな…何だよ、急に?!」
セロフィート
「ジャムが付いてました♪」
マオ
「──は?
ジャ…ジャム??」
セロフィート
「はい♪
舐めて取りました。
もう、付いてません」
マオ
「──なっ…ななななな(////)
言ってくれたら拭ったのに!!」
セロフィート
「拭ったら面白くないです」
マオ
「おもっ……」
セロフィート
「──マオ、覚えてます?」
セロフィートはティーポットを持ち、ティーカップに紅茶を注ぎながら言う。
マオ
「何をだよ!(////)」
セロフィート
「2人切りになったら『 教える 』と言いました」
紅茶を注ぎ入れたティーカップをソーサーごとマオの前に置きながら言う。
マオ
「何をだよ?」
セロフィート
「忘れてるなら良いです」
マオ
「──嘘です!
忘れてません!!
何を教えてくれるんだ?」
セロフィート
「聞きたいです?」
マオ
「聞きたい」
セロフィート
「後悔してません?」
マオ
「う、うん…。
しないよ?」
セロフィート
「〈 獣人 〉が救助してくれたのには理由があります」
マオ
「理由??
理由って──、どんな?」
セロフィート
「ワタシは詩歌を歌いました」
マオ
「う、うん…」
セロフィート
「特殊な効果のある詩歌です」
マオ
「特殊な効果??」
セロフィート
「そうです。
〈 亜人種 〉を引き寄せます。
ジェリさんに〈 魅了 〉させました」
マオ
「はい??
どゆこと?」
セロフィート
「ワタシの詩歌を聞き、夢心地となった瞬間から、〈 亜人種 〉はジェリさんに夢中となりました」
マオ
「………………初めから…其のつもりで…」
セロフィート
「使えるものを使っただけです」
マオ
「おい!
其って計画的犯罪……」
セロフィート
「計画はしてません。
思い付きです。
犯罪でもないです」
マオ
「何とでも言えるだろ!
オレとセロが此処で暢気に紅茶飲んでる間もジェリさんは彼奴等に……」
セロフィート
「歓迎されてるだけです」
マオ
「だ・か・ら!
あんなのは『 歓迎 』とは言わないだろ!!」
セロフィート
「人種が違う以上、歓迎の仕方も違います。
寛大な心で受け入れなければ交流等出来ません」
マオ
「セロ……。
セロはジェリさんを助ける気はないんだな?」
セロフィート
「ある訳ないでしょう」




