❗3.海賊船 4 〜 船長室 1 〜
今回の内容も「 20歳未満の読者さんは飛ばしてね 」に入るのカナーーー??
飛ばさず読むなら自己責任でお願いします。
──*──*──*── 船長室
乱暴に《 船長室 》のドアを開けたマオは、優雅に紅茶を飲みながら読書を楽しんでいるセロフィートに正面から抱き付いた。
セロフィートが紅茶を飲んでい様が、読書をしてい様が、今のマオには関係無かった。
マオが正面突破で抱き付いて来た所為で、絨毯の上にティーポットとティーカップが落ちてしまい、紅茶が溢れて絨毯を汚してしまった。
セロフィートが読んでいた本は、セロフィートの手から離れ、遠くへ飛んで行ってしまった。
セロフィート
「──マオ、いきなり何です?」
抱き付いて来たマオを叱らずに、子供をあやす様な優しい声色と口調で、マオに声を掛ける。
震えているマオの後頭部と背中をゆっくりと優しく撫でながら、マオが落ち着く迄待ってあげた。
カタカタと震えていたマオの身体の震えが少し治まる。
セロフィート
「どうしました?
甲板に出れませんでした?」
マオ
「……………………出たよ…」
絞り出した様なマオの声は震えていた。
セロフィート
「良かったですね」
マオ
「──っ、良くない!!
全然良くないよ!!」
セロフィート
「はい?
甲板に出れたのに何が良くないです?」
マオ
「………………だって……だって…………」
セロフィート
「はい?」
マオ
「…………ジェリさんが……ジェリさんが…………ジェリさんがっ!!」
セロフィート
「ジェリさんが心配で見に行ったんでしたね。
会えました?」
マオ
「…………ジェリさんがっ──」
マオは甲板に出てから自分が目の当たりにした光景と、ジェリエンツがどんな目に遭っていたのかをセロフィートに話した。
セロフィート
「──ははぁ…。
そうでしたか。
マオが驚くのも仕方無いです」
マオ
「…………仕方無い??」
セロフィート
「本来なら、見なくても良い光景を見てしまった訳ですし」
マオ
「………………セロ…??」
セロフィート
「忠告は素直に聞くものです。
マオの為を思っての忠告ですし」
マオ
「………………御免なさい…」
セロフィート
「怒ってません。
怒る程の事でもないですし」
マオ
「…………どうしたら良いのかな?」
セロフィート
「何をです?」
マオ
「ジェリさんに決まってるだろ!」
セロフィート
「大人の歓迎会が落ち着く迄待つのが良いです」
マオ
「──セロ!
其じゃあ、ジェリさんが──」
セロフィート
「命に関わる様な事はされてません」
マオ
「──っ、だけど!!」
セロフィート
「あくまで “ 歓迎会 ” ですし。
何も心配要りません。
ジェリさんは “ リバ ” ですし。
好かれる事はあっても酷い事はされません」
マオ
「──何言ってんだよ!
現に酷い事されてるから『 助けよう! 』って言ってるんですけど!!」
セロフィート
「マオ、ジェリさんは男性です。
〈 獣人 〉〈 獣族 〉を相手にしたからと言って、女性の様に孕んだりしません」
マオ
「孕むって…。
ジェリさんが何を『 孕む 』って言うんだよぉ〜〜〜〜っ!!
オレは、フルチンで発狂してる〈 獣人 〉〈 獣族 〉からジェリさんを助けたいんだよ!!」
セロフィート
「ですから──」
マオ
「セロなら出来るだろ!
ジェリさんを助けてあげてよ!!
オレ……オレ…もう、甲板が怖くて1人じゃ出られないよぉ!!」
セロフィート
「ジェリさんはアンドレムさん,イシュハルトさんの代わりです。
助ける事は出来ません」
マオ
「…………代わり……って何…言ってんだよ…?
ジェリさんは、ジェリさんだろ?!」
セロフィート
「救助してくれた御礼にジェリさんをプレゼントしました」
マオ
「プレゼント??
どゆことだよ…」
セロフィート
「助けてもらって手ぶらでは失礼でしょう?
『 プレゼント 』と言っても一時的です。
正気に戻ったジェリさんは、何をされたのか何も覚えてませんし、大丈夫です」
マオ
「………………初めから?」
セロフィート
「はい?
何がです?」
マオ
「初めから…ジェリさんを利用する為に…同行させたのか?」
セロフィート
「船を漕いでもらう為に決まってます。
プレゼントは流れに乗っただけです」
マオ
「流れ……って、何の流れだよ!!
ジェリさんは無関係だろ!
なのに…下半身丸出しのイカれた〈 獣人 〉と〈 獣族 〉に囲まれて──!!
酷いじゃないか!!」
セロフィート
「マオに相手をさせる訳にはいきませんし」
マオ
「だからって──、ジェリさんを犠牲にするなんて……」
セロフィート
「何事も犠牲の上に成り立ちます。
自然な事です」
マオ
「──だったら、ジェリさんじゃなくても良いだろ!
〈 古代魔法 〉で、アンドレムさんとイシュハルトさんを呼び出せは良いじゃないか!」
セロフィート
「40代に〈 獣人 〉〈 獣族 〉の相手をさせますか。
………………ふふふ。
其も面白そうです。
良いでしょう。
後で〈 船長 〉さんに聞いてみます」
マオ
「──オレの所為で犠牲者が増える!?」
セロフィート
「歓迎会が終わる迄2人切りですね♪
マオ、座ってください」




