❗3.海賊船 1 〜 甲板 〜
──*──*──*── 海賊船
《 海賊船 》に上がり終えたマオは、ジェリエンツの様子が心配だった。
セロフィートの詩歌を聞き惚れていたジェリエンツは、今も夢心地の中に居る様だ。
〈 獣人 〉には獣の耳だけでなく、尻尾も生えている。
〈 獣人 〉達の尻尾は、何故だか分からないがブンブンと勢い良く揺れている。
甲板の上でジェリエンツが〈 獣人 〉達に囲まれている状態なのが、マオは不安で心配なのだ。
マオがジェリエンツに目を向けている間に、セロフィートも《 海賊船 》に上がり終えていた。
セロフィート
「──マオ、ジェリさんの事はボレニグさん達に任せて、ワタシ達は〈 船長 〉さんの元へ行きましょう」
マオ
「へ??
ジェリさんを置いてくのかよ?!
だって〈 獣人 〉に囲まれて──」
セロフィート
「ジェリさんは大丈夫です。
──さ、マオ」
ジェリエンツを心配するマオを促し、セロフィートはマオの左腰に左手を回す。
〈 獣人 〉の1人がセロフィートとマオを〈 船長 〉の元へ案内してくれる様だ。
セロフィート,マオはジェリエンツを甲板へ残したまま船内の中へ入って行った。




