❗3.屋台公園 3 〜 食べ歩きしよう 3 〜
マオ
「──あっ!
セロ、あれが《 クラリエイシェル 》の《 屋台 》じゃないかな?」
セロフィート
「そうみたいです」
マオ
「よし!
惣菜クレープ買おう!」
セロフィート
「はいはい。
どのお惣菜クレープが食べたいです?」
マオ
「う〜ん…。
全部、食べたいかな〜〜」
セロフィート
「ふふふ。
全種類2枚ずつ買います?」
マオ
「良いのか?」
セロフィート
「折角ですし」
マオ
「う、うん…。
じゃあ、セロとオレの分で2枚ずつ買うな?」
セロフィート
「どうぞ」
マオは《 クラリエイシェル 》の前に行くと、〈 店員 〉にメニュー表を見せ、4種類の惣菜クレープを2枚ずつ注文した。
〈 店員 〉は3人おり、1人の〈 店員 〉が会計を担当し、2人でクレープを作る様だ。
〈 店員 〉は手慣れているのだろう、手際良くクレープを作っている。
出来上がったクレープを専用の用紙にくるむのは会計を担当している〈 店員 〉だ。
8枚の惣菜クレープが出来上がると、マオは〈 店員 〉から紙袋を受け取った。
会計担当の〈 店員 〉と話をしたが、《 クラリエイシェル 》は《 飲食街 》に店を構えていない事が分かった。
店を構える気はなく、此からも《 屋台 》のみで営業を続ける予定らしい。
《 クラリエイシェル 》を離れた後も、彼此の《 屋台 》へ行き、気になる料理を買った。
木陰の下に設置されているテーブルとベンチへ向かって歩く。
空いているテーブルの上に《 屋台 》で買った料理を並べると、テーブルを挟んでベンチに腰を下ろし、向かい合う様に座った。
マオ
「結構買ったよな」
セロフィート
「いただきましょう」
マオ
「うん!
何れも出来立てで美味しそうだな!」
セロフィート
「〈 魔法陣 〉の上に置いてますからね」
マオは〈 大陸神エルゼシア 〉へ食前にする感謝の祈りを捧げた。
マオ
「いただきま〜〜〜す」
マオは沢山ある料理を見ながら、何れからにしようか迷いながら選び食べるのだった。
──*──*──*── 30分後
マオ
「──はぁ〜〜〜美味しかったぁ♪
未だ食べ足りないぐらいだよ〜」
セロフィート
「ワタシの分も食べてましたけど?」
マオ
「うぐ……其は…御免…(////)」
セロフィート
「ふふふ。
構いません。
美味しそうに食べているマオを見ているだけで、胸が一杯になりました」
マオ
「胸が一杯になったって、腹は膨れないだろ?」
セロフィート
「そうですね。
元々ワタシは飲食を必要としませんし。
ワタシの分も気にせず食べてくれて構いません」
マオ
「そだったな…。
何時も一緒に食べてるから忘れてたよ……」
セロフィート
「マオ、そろそろ《 港 》へ行くとしましょう」
マオ
「え…、もう行くのか?」
セロフィート
「今から行けば、12時30分には着きます」
マオ
「13時迄に着く様に行けば良いじゃんか」
セロフィート
「少しでも早い方が良いでしょう?」
マオ
「……また何か企んでるんじゃないよな〜〜」
セロフィート
「企んでません」
ベンチから腰を浮かせて立ち上がったセロフィートは、テーブルの上を片付ける為に〈 魔法陣 〉を発動させた。
〈 魔法陣 〉が消えるとテーブルの上は綺麗に片付いていた。
マオ
「〈 魔法陣 〉って便利だよな〜」
セロフィート
「使い方次第です」
ベンチから腰を浮かせて立ち上がったマオは、セロフィートの左手を掴んだ。
セロフィート
「マオ?」
マオ
「えへへ…(////)」
セロフィート
「ふふふ(////)
どうせなら、友達繋ぎしましょう」
マオ
「友達繋ぎじゃなくて、夫婦繋ぎ──って言うんだからな!」
セロフィート
「そうです?」
マオ
「そうなの!
オレ以外と手繋ぎしたら駄目なんだからな!
セロの手はオレ専用なんだからさ!」
セロフィート
「はいはい。
マオ以外とは繋ぎません。
マオはワタシ以外とも繋ぎますけどね?」
マオ
「…………うぅ……だって…ニュイリが…」
セロフィート
「家族はノーカンにしてあげます。
家族以外はアウトです」
マオ
「分かってるよ〜(////)」
マオとセロフィートは仲睦まじく《 屋台公園 》を出るのだった。
ベンチに座って食べたら、食べ歩きにならねぇやんか……。
買った量が多いし、仕方無いよね?
食べ歩きはモラル的にアウトになるんだろうか……。
御行儀的には宜しくない食べ方ではあるけれど……食べ溢しやポイ捨てをしなければセーフなのか??
ファンタジーなんだし、その辺は別に気にしなくて良いよね~~。




