❗3.応接室 1 〜 土下座文化は悪なのか? 〜
──*──*──*── 応接室
顔パスで《 応接室 》へ入ったセロフィートとマオは、ソファーに腰を下ろして座る。
〈 受付嬢 〉の言っていた〈 上司 〉とやらは未だ来ていない。
マオ
「…………何だよ。
誰も居ないじゃんか。
〈 上司 〉から話があるんじゃないんだ?」
セロフィート
「待たされるのは何時もの事です」
マオ
「セロはさ、気が長いから待たされても構わないかも知れないけどさ、オレは無駄に待たされるのは嫌だよ!」
セロフィート
「取り敢えず、最低でも30分は待ちましょう。
来なければ《 応接室 》を出れば良いだけです。
待たずに《 応接室 》を出るよりは幾らか良心的です」
マオ
「うん…。
30分だな?
ジャスト30分だからな!
其以上は待たないんだからな!!」
セロフィート
「はいはい。
来なかった時は〈 上司 〉とやらに誠意ある謝罪してもらいましょう」
マオ
「謝罪って?
『 御免なさい 』してもうって事だよな?
してくれるのかよ?」
セロフィート
「『 お願い 』するに決まってます。
誠心誠意、死ぬ気で土下座してもらいしょうか」
マオ
「………………セロぉ……死ぬ気の土下座って…どんな土下座させる気だよ?」
セロフィート
「そうですね……。
焼き土下座とかどうです?」
マオ
「焼き土下座ぁ??
何だよ、其ぇ?」
セロフィート
「熱した鉄板の上で誠意を込めた死ぬ気の謝罪方法です」
マオ
「そんな謝罪は却下するに決まってるだろ!
抑、いい大人に土下座させるなんて……」
セロフィート
「何を言います。
土下座というのは、最高級の謝罪と誠意、服従を表すパフォーマンスですよ」
マオ
「パフォーマンスって……」
セロフィート
「切腹して御詫びする気持ちで土下座が出来なくて、人の上に立てますか」
マオ
「…………せっぷく…って何だよ〜〜〜」
セロフィート
「自らお腹を切り、詫びる命を懸けた誠意ある謝罪です」
マオ
「えぇ゛〜〜〜〜……。
お腹を切る──とか余計に駄目だろ?!」
セロフィート
「ですから、命を懸けない焼き土下座で済ませ様と言うのです。
火傷はしますけど、火傷は誠意ある謝罪が出来た証しですし、勲章として、両手,下腿,額に生涯残ります」
マオ
「嫌な勲章だな…」
セロフィート
「流石に焼き土下座は冗談ですけど…」
マオ
「冗談??
本当だろうなぁ?
実際にはさせないんだよな?」
セロフィート
「マオが見たいならさせます」
マオ
「見なくないから止めろよ」
セロフィート
「見たくない…です?
面白いのに…」
マオ
「『 面白い 』って…。
誰かにした事あるのかよ〜?」
セロフィート
「ワタシではなく先代です」
マオ
「…………何代前のセンダイさんかは知らないけど、オレの目が黒い内は駄目なんだからな!」
セロフィート
「…………はいはい」
マオ
「ちょっ、セロ!
如何にも不本意そうな声で返事するなよ!」
セロフィート
「してませんし…」
マオ
「センダイさんはさせたかも知れないけど、オレのセロは焼き土下座なんて人に絶対に強要しないんだからな!」
セロフィート
「マオ…。
──分かりました。
ワタシからは強要しません。
但し、相手が自ら望んだ場合は、相手の思い尊重して、焼き土下座をしてもらう事になりますけど、良いです?」
マオ
「う、うん…。
そりゃ、本人が望むなら止めはしないけど…。
危険な土下座を態々自分からしたがる人なんて居ないと思うんだけどなぁ〜〜」
セロフィート
「其はどうでしょう。
色んな趣向の人間が居る事を忘れてはいけません」
マオ
「そですね……」
『 待つ 』と決めた時間が来る迄、セロフィートとマオの土下座の話は終わらなかった。
あれ……おかしいな??
「 カイジ 」のアニメで見た記憶があるんですけど?




