❗2.宿泊室 1 〜 本を読もう 1 〜
──*──*──*── 3階・廊下
──*──*──*── 宿泊室前
クルセイルから受け取った鍵を使い、セロフィートは《 宿泊室 》のドアを開けた。
セロフィート
「おや?
中は土足厳禁の様ですね。
マオ、入る前に脱いだブーツは揃えてください」
マオ
「分かってるよ!
お母さんかよ…」
セロフィート
「お父さんにしてください」
マオ
「お父さんは『 ブーツを揃えろ 』とは言わないだろ」
セロフィート
「そんな事ないです」
マオ
「あるよ!」
ブツブツと文句を言いながらも、マオは《 宿泊室 》に入って直ぐの《 土間 》でブーツを脱ぐと、きちんと揃えた。
セロフィートが予め出してくれたルームシューズを履くと室内へ入る。
英雄の名前を付けているだけあり、《 宿泊室 》も立派な内装だった。
地味過ぎず、派手過ぎず、落ち着きのある大人向けの室内だ。
マオ
「ふ〜ん…《 宿泊室 》のランクで言うと中の上…かな?」
セロフィート
「失礼ですよ、マオ」
マオ
「褒めてんの。
オレ、こういう落ち着いた感じの部屋好きだし!
薄い緑色のカーテンとかも良いしさ。
其にほら、絨毯も緑色だし。
壁紙もほんのり緑色だろ。
緑色って、癒されるし、目にも良いし、寛ぎ易いよ」
セロフィート
「そうです?
ワタシには今一解りません…」
マオ
「いや…セロは人形だし……。
此が解ったら逆に凄いと思うけど……」
セロフィート
「其もそうですね。
──マオ、〈 結界魔法陣 〉を張ります」
マオ
「うん。
終わったら窓を開けるよ」
セロフィートが〈 結界魔法陣 〉を発動している間に、マオは装備していた剣と刀を外し、壁の隅に立て掛けた。
脱いだコートは、〈 結界魔法陣 〉を張り終えたセロフィートが受け取ってくれた。
マオは窓を開ける。
3階の窓からは、遠くに海が見える。
マオ
「──セロ、此処から海が見えるよ!」
2人分のコートをハンガーに通し、壁に付いたフックにハンガーを掛けてくれているセロフィートに声を掛ける。
セロフィート
「嬉しいです?」
マオ
「う〜ん…『 嬉しい 』って言うかさ、テンション上がるだろ?
だって、窓から海が見えるんだぞ!」
セロフィート
「はいはい。
マオ、ベッドはツインですけど、どうします?」
マオ
「くっ付けて1つにするに決まってるだろ!
セロと離れて寝るなんて、オレは嫌だからな!」
セロフィート
「はいはい。
もう少し大きくしましょう。
マオ、他に変えたい所はあります?」
マオ
「う〜ん……今はいいかな。
追々変えればいいよ」
セロフィート
「室内の模様替えは此のくらいにしときましょう」
セロフィートはベッド上に腰を下ろすと静かに座った。
〈 古代魔法 〉を上手く使えば、気に入らない部屋の模様替えも簡単に出来て実に楽チンである。
模様替えをする前に忘れてはいけない事は、必ず〈 結界魔法陣 〉を張る事だ。
〈 結界魔法陣 〉を張った後に模様替えをすれば、〈 結界魔法陣 〉を解除した時に、室内は模様替えをする前の状態に戻る。
其の為〈 結界魔法陣 〉を張る事を忘れてはいけないのである。
仮に窓の外から矢が飛んで来ても、〈 結界魔法陣 〉が能く為、窓を全開にしていても矢は室内に入って来ない。
〈 結界魔法陣 〉に吸い込まれた矢は、持ち主の頭上に戻る様になっている。
上手く避けなければ即死ものだ。
室内の声も音も廊下に漏れない防音になっており、廊下から室内の声や音は一切聞こえない。
廊下からドアを開けてたとしても、目に見えない壁に守られている為、セロフィートとマオ以外の者は《 宿泊室 》の中に入れなくなっている。
セロフィートとマオの泊まる《 宿泊室 》だけは防犯設備も完璧である。
セロフィートがベッドの上に座ったのを見たマオは、ベッドに近付くとルームシューズをポポイッと脱いでベッドの上に上がった。
セロフィート
「──マオ、御行儀が悪いです。
脱いだら揃えてください」
マオ
「別に良いだろ〜〜〜。
此処にはセロしか居
セロフィート
「〈 久
だらしない所
マオ
「セロの言
セロフィート
「狡
ワタシは事
マオ
「………………解
マオは文
セロフィート
「偉




