セロフィートの捨てられる寸前の仔犬の目攻撃に負けたマオは、〈 魔鉱石 〉の入った箱を広い場所へ移動させた。
セロフィートが〈 古代魔法 〉を発動させると、箱の下に〈 魔法陣 〉が出現した。
〈 魔法陣 〉が光ると〈 魅了魔法 〉を探知する〈 魔法 〉の附与が始まった。
〈 魔法陣 〉の光は30秒程で消えてしまった。
セロフィート
「終わりました。
此で〈 魔鉱石 〉に〈 魅了魔法 〉を探知する為の〈 魔法 〉が附与されました」
マオ
「早いなぁ…。
何処も変わった所は無さそうに見えるけど、何か変わったのか?」
セロフィート
「外身は特に変わってません。
中を見てください。
附与されている証拠が見れます」
マオ
「中ぁ??」
箱の中から〈 魔鉱石 〉を1個摘まんで手に取ったマオは、〈 魔鉱石 〉の中を覗いてみた。
〈 魔鉱石 〉の中には、黒い靄みたいなモノが蠢いている。
マオ
「──セロ、此の黒くて靄っぽいのは何だ?
此が附与されてる──って事の証拠なのか?」
セロフィート
「そうです。
此の〈 魔鉱石 〉を持って、外を歩くだけです。
半径50mの範囲内で〈 魅了魔法 〉を探知すると〈 魔鉱石 〉から光が出ます。
〈 魅了魔法 〉を使える〈 テム 〉や〈 魅了魔法 〉が込められている〈 魔法具 〉〈 魔導具 〉を見付ける事が出来ます。
多少は捜査も楽になるでしょう」
マオ
「凄いんだな〜。
此を悪用しないでちゃんと捜査に活用出来ると良いんだけどな……。
なぁ、セロ。
附与の書き換えって出来たりするのか?」
セロフィート
「出来ます。
書き換えをしてしまうと〈 魅了魔法 〉の探知は出来なくなります」
マオ
「そうなんだ…。
誰にでも書き換え出来ちゃうのか?」
セロフィート
「附与を書き換える為には専用の〈 魔法具 〉若しくは〈 魔導具 〉が必要です。
高額ですし、書き換えを専門としている〈 玄人 〉の店でしてもらうのが賢明です。
素人がすると失敗する確率が高まりますし」
マオ
「そうなんだ…。
でもさ、〈 玄人 〉にしてもらうと高いんだろ?」
セロフィート
「値段は其なりに高いです。
附与にもピン 〜 キリ迄ありますし、〈 魔法力 〉の消費量に依って異なります。
〈 玄人 〉もピン 〜 キリ迄居ますし。
附与の書き換え職業には段階があります。
〈 見習い 〉〈 新人 〉〈 双人 〉〈 達人 〉〈 玄人 〉〈 師範 〉の5段階です。
〈 師範 〉になると〈 弟子 〉を持つ事が許され、後継者を育てます。
〈 見習い 〉〈 新人 〉〈 双人 〉〈 達人 〉迄は〈 師範 〉の元で修行します。
〈 玄人 〉にると独り立ちして自分の店を持ちます」
マオ
「そうなんだ…。
附与の書き換えってのはさ簡単に出来るもんなのか?」
セロフィート
「人間には難しいです。
使用する〈 魔法具 〉〈 魔導具 〉にもピン 〜 キリ迄あります。
附与に依って使用する〈 魔法具 〉〈 魔導具 〉を使い分ける必要がありますし、〈 魔法具 〉〈 魔導具 〉が合わなければ自ら作らなければいけません。
〈 魔法力 〉の消費量の調節もする必要があります。
附与の書き換えには実践,経験,技術,見極め,集中力等が必要です。
成功率が低い作業です。
其の代わり、成功すれば高額な収入を得る事が出来ます」
マオ
「失敗したらどうなるんだ?」
セロフィート
「〈 魔鉱石 〉が砕け散ります」
マオ
「砕け散る?!
1つ5.000.000Qする〈 魔鉱石 〉が砕け散る……。
砕けた〈 魔鉱石 〉って使えるのか?」
セロフィート
「使い物になりません。
ゴミになります」
マオ
「ゴミ…………」
セロフィート
「マオとワタシには関係無い事です」
マオ
「…………そ、そうだけど……」
セロフィート
「其にしてもエイミスさんは遅いですね」
マオ
「そうだな…。
皆で石ころを拾ってるのかな?」
セロフィート
「後40分程でマオの事情聴取が始まります」