❗2.取調室 11 〜 魔鉱石の作り方 2 〜
エイラクトミスタ
「──わ、分かりました。
上司に確認して来ます。
足りなければ、石ころを持って来ます」
セロフィート
「お願いします、エイミスさん。
ワタシは〈 魔鉱石 〉に〈 魅了魔法 〉を探知する為の〈 魔法 〉を附与する作業に入ります」
エイラクトミスタ
「分かりました。
此方こそ宜しくお願いします。
セロフィート……様??」
セロフィート
「『 さん 』で良いです。
ワタシは〈 旅人 〉の〈 吟遊詩人 〉です。
『 様 』付きで呼ばれる様な身分でもないです」
エイラクトミスタ
「………………は、はい…。
で、では…確認して来ます。
失礼します」
そう言いながら頭を下げたエイラクトミスタは、再び《 取調室 》を出て行った。
マオ
「──セぇロぉ〜〜〜。
エイミスさん、明らかに困ってたよなぁ?
余計な事、言うなよ〜〜」
セロフィート
「はい?
余計な事…です?
何処等辺です?」
マオ
「『 足りますか? 』とかだよ!
此だけ有るんだからさ〜〜、足りるだろ?
余るくらいじゃないのかよ?
『 足りない分は精製します 』とか!
絶対に余計な事だと思うんだけど!」
セロフィート
「ワタシには〈 警察官 〉の正確な人数は分かりませんし。
足りないと捜査する時に困るでしょう?」
マオ
「其は──、そうかも知れないけどさ……。
でもさ、だって──、此1つで5.000.000Qするかも知れない価値があるんだろ?
くすねたり、猫糞されたりしたら、どうするんだよ?
〈 警察官 〉だって人間なんだから、間違いを犯す事だってあるんじゃないのか?」
セロフィート
「あるでしょうね。
其は其で面白いですし、放っときましょう」
マオ
「あのなぁ!」
セロフィート
「〈 警察官 〉は〈 警察官 〉となる時は必ず〈 久遠実成 〉に誓いを立てている筈です。
〈 久遠実成 〉に立てた誓いを破った場合は、其なりの報い,咎めを受ける事になります。
〈 久遠実成 〉に立てた誓いを破る──という行為は、〈 久遠実成 〉の教え,法則を軽視,冒涜する事になると同時に、〈 久遠実成 〉への反逆となります。
報いも咎めも人に依って、大小が異なります。
〈 警察官 〉ならば其ぐらいの事は學んでいる筈です。
〈 警察官 〉である以上は『 知らぬ,存ぜぬ 』では通りません。
──何時如何なる時も〈 久遠実成 〉は1人1人の行いを見ておられる事は伝えますし、〈 魔鉱石 〉を悪用すれば、必ず報い,咎めを受ける事も伝えます。
後は彼等次第です。
ですから、放っときましょう」
マオ
「………………忠告はするんだな?」
セロフィート
「タダより恐ろしいものはないのでしょう?
ふふふ♪
一体何名の犠牲者が〈 警察官 〉から出るのか──。
今から楽しみですね、マオ♪」
マオ
「『 楽しみですね 』じゃ、ないだろーーーが!!
あ゛ぁぁ〜〜も゛ぅぅ〜〜〜っ!!
やっぱり、企んでたじゃないか!!」
セロフィート
「マオ…。
大丈夫です?」
マオ
「此の状況を大丈夫だと思うのかよ!
協力的なフリしといて〜〜〜!!
──此の悪魔っ!!」
セロフィート
「何を言います。
ワタシは人形です」
マオ
「そうだけど!
そうなんだけどっ!!
セロのしてる事は〈 悪魔 〉のする事と変わらないだろ!!」
セロフィート
「マオ…、≪ エルゼシア大陸 ≫に “ 悪魔 ” 等という生き物は存在しません」
マオ
「本の中には登場するだろ!」
セロフィート
「空想の産物です。
真に受けないでください」
マオ
「だけど…〈 魔族 〉の中に〈 悪魔 〉が居るだろ」
セロフィート
「別物ですし」
マオ
「むぅ〜〜〜」
セロフィート
「ふふふ。
マオ、可愛い♪
栗鼠みたいです(////)」
マオ
「つつくなよ!(////)」
膨らませたマオの頬に、人差し指で優しくつつくセロフィートは楽しそうだ。
マオ
「──オレの事は良いから、〈 魔法 〉の附与ってのをしろよ!」
セロフィート
「はいはい」
マオ
「なぁ、〈 魔鉱石 〉に〈 魅了魔法 〉ってのを探知する〈 魔法 〉の附与って、どうやってするんだ??」
セロフィート
「特別な事はしません。
──マオ、〈 魔鉱石 〉の入った箱を広い場所へ移動させてください」
マオ
「セロってさ、力仕事は全部、オレ任せだよな」
セロフィート
「重いの持てませんし」
マオ
「持てるだろ!
オレより腕力あるんだからさ!」
セロフィート
「兄が弟に甘えて何が悪いです?」
マオ
「世間ではな、兄は弟に甘えないんだよ!」
セロフィート
「マオしか頼れませんし…」
マオ
「ぐ…そんな悲しそうな顔してオレを見たって──、見たって……見…………今回だけだからな!!(////)
セロフィート
「は〜〜い♪」




