エイラクトミスタ
「 セロフィートさん、其は一体…… 」
エイラクトミスタは不思議そうな表情をしながら魔法陣の刺繍がされている白い布を見ている。
マオ
「 正方形だな。
何か手巾みたいに見えるんだけど?? 」
セロフィート
「 そうです。
ワタシが作った試作品の手巾です。
特殊な生地に特殊な糸で魔法陣を刺繍しました。
此のまま魔法陣としても使える便利な手巾です 」
マオ
「 何時の間にそんなの作ってたんだよ…。
っていうか、魔法陣としても使える手巾って…… 」
セロフィート
「 単なる暇潰しです 」
マオ
「 はぁ?
暇潰しって…… 」
エイラクトミスタ
「 セロフィートさんって凄いんですね! 」
セロフィート
「 一々魔法陣を描くのは手間です。
其の手間を惜しんでみました。
此の手巾は、マギ法ほうタ師し,マ魔まギ術じゅつル師し,レ錬れんギ金きんン術じゅつシ師し,ジ呪じゅュ術じゅつロ師しの魔ま法ほうマジカル陣じんサークルを1つにした魔ま法ほうマジカル陣じんサークルを刺し繍しゅうしてます。
此この特とく殊しゅな魔ま法ほうマジカル陣じんサークルを使つかい、石いしころを魔ま鉱こう石せきへ精せい製せいします 」
マオ
「 手しゅ巾きんハンカチの上うえに石いしころを置おけば良いいのか? 」
セロフィート
「 そうです。
石いしころを置おいたら魔ま法ほうマジカル陣じんサークルを発はつ動どうさせるだけです。
早さっ速そく試ためしてみましょう。
エイミスさん、石いしころはあります? 」
エイラクトミスタ
「 此こ処こ取調室には無ないですけど、外そとに出でて取とってきます! 」
セロフィート
「 お願ねがいします。
出で来きれば持もち運はこびの出で来きる軽かるくて手て頃ごろな石いしころにしてください。
石いしころの量りょうはエイミスさんにお任まかせします 」
エイラクトミスタ
「 分わかりました。
直すぐに拾ひろって来きます! 」
そう言いったエイラクトミスタは、ソファーから腰こしを浮うかせて立たち上あがると、ドアの鍵カギを解かい除じょして取とり調しらべ室しつから出でて行いった。
マオ
「 …………セロ〜〜。
今こん度どは何なにを企たくらんでるんだよ? 」
セロフィート
「 おや?
心しん外がいです。
ワタシは何なにも企たくらんでません。
唯ただの善ぜん意いです♪ 」
マオ
「 善ぜん意いな訳わけあるかよ!
200年ねんもセロと旅たびしてるんだぞ!
セロが “ 善ぜん意い ” なんてのに興きょう味み無ない事ことぐらい学がく習しゅう済ずみなんだよ!! 」
セロフィート
「 マオ…。
偉えらいです♪
良よく気き付づきました 」
マオ
「 …………撫なでなくて良いいから!(////)」
頭あたまを撫なでてくれるセロフィートを睨にらみ付つけて、マオは口くちを尖とがらせる。
マオ
「 ──で、今こん回かいは何なにを企たくらんでんだよ? 」
セロフィート
「 久ひさし振ぶりに “ ガッポリ ” しようと思おもってます 」
マオ
「 はぁ?
ガッポリぃ?? 」
セロフィート
「 そうです。
最さい近きん、御ご無ぶ沙さ汰たでしょう? 」
マオ
「( セロが『 御ご無ぶ沙さ汰たでしょう 』なんて言いうと厭いやらしいな…(////) )」
セロフィート
「 魔ま法ほうマジカル陣じんサークル入いりの手しゅ巾きんハンカチを販はん売ばいしようと思おもってます 」
マオ
「 …………此これと同おなじ手しゅ巾きんハンカチをかよ? 」
セロフィート
「 違ちがいます。
魔ま法ほうマジカル陣じんサークルの発はつ動どうしない至いたって普ふ通つうの手しゅ巾きんハンカチです。
人にん間げんは魔ま法ほうマジカル陣じんサークルが好すきみたいですし。
様さま々ざまな魔ま法ほうマジカル陣じんサークルを印いん刷さんした手しゅ巾きんハンカチを作つくれば、人にん間げんは全ぜん種しゅ類るいをコレクションする為ために集あつめ出だします。
マ魔まギ法ほうタ師し,マ魔まギ術じゅつル師し,レ錬れんギ金きんン術じゅつシ師し,ジ呪じゅュ術じゅつロ師しの使し用ようする魔ま法ほうマジカル陣じんサークルは多た彩さいですし、シリーズ化かして売うれば “ ガッポリ ” 出で来きます 」
マオ
「 ん〜〜〜鯔とどの詰つまりだ、人にん間げんのコレクター魂だましいみないなのを利り用ようして路ろ銀ぎんを稼かせごう──って言いうんだな?
…………魔ま法ほうマジカル陣じんサークルを印いん刷さつした手しゅ巾きんハンカチの販はん売ばいかぁ…。
何なんかさ今こん回かいは珍めずらしくマトモで平へい和わ的てきそうな案あんだな? 」
セロフィート
「 酷ひどい事こと言いいますね 」
マオ
「 事じ実じつだろ〜〜〜。
安あん全ぜんそうだから誉ほめてんの!
でもさ、大たい量りょう生せい産さんしなきゃだろ。
其それに種しゅ類るいがあり過すぎるとコレクションするのに大たい変へんじゃないのか? 」
セロフィート
「 初はじめの第だい1弾だんはマ魔まギ法ほうタ師し,マ魔まギ術じゅつル師し,レ錬れんギ金きんン術じゅつシ師し,ジ呪じゅュ術じゅつロ師しの魔ま法ほうマジカル陣じんサークルを5種しゅ類るいずつ販はん売ばいします。
人にん気きが出でたら、第だい2弾だん,第だい3弾だんと出だして行いきます。
1ヵ月げつ単たん位いで出だせば良よいでしょう。
値ね段だんは1枚まい500Qクインにします 」
マオ
「 1枚まい500Qクインって……。
一寸ちょっとお高たかいんじゃないのか? 」
セロフィート
「 何ど処こにも真ま似ねれない魔ま法ほうマジカル陣じんサークルの手しゅ巾きんハンカチですよ。
安やす過すぎるくらいです。
元もと手ではタダですし、売うれさえすれば “ ガッポリ ” 出で来きます 」