セロフィート
「 去年の11月の下旬から起きてる事件についてでしょう 」
マオ
「 あ〜〜〜…うん!
ちゃんと覚えてたぞ。
セロを試しただけだし! 」
セロフィート
「 本当です? 」
マオ
「 本当……………じゃないです…。
御免なさい… 」
セロフィート
「 エイミスさん、5ヵ月前から起きてる事件を教えてください 」
エイラクトミスタ
「 じゃあ、話しますね。
──事件の被害者は旅人,旅行者ばかりなんです 」
マオ
「 えっ?
旅人,旅行者が被害に遭ってるの?? 」
エイラクトミスタ
「 そうなの。
……今迄起きた事件は傷害事件ばかりだったけど……。
今回、起きた事件は…… 」
マオ
「 エイミスさん? 」
エイラクトミスタ
「 …………犯人は未だ見付かってないの。
単独犯なのか複数犯なのかも分かっていないわ。
でもね、犯人が〈 テム 〉って事は分かたの。
≪ 港町 ≫には〈 テム 〉が多いから探し出すのも苦労してるわ… 」
マオ
「 そんなに〈 テム 〉が多いの? 」
エイラクトミスタ
「 えぇ…。
≪ 港街 ≫程じゃないけど…マギ法ほうタ師し,マ魔まギ術じゅつル師し,レ錬れんギ金きんン術じゅつシ師し,ジ呪じゅュ術じゅつロ師しも多おおいの…。
捜そう査さをしている間あいだに、犯はん人にんが魅み了りょうチャーム魔ま法ほうマジックを使つかっている事ことが分わかったの 」
マオ
「 魅み了りょうチャーム魔ま法ほうマジックって何なに?? 」
エイラクトミスタ
「 私わたしは〈 ノマ 〉だから魅み了りょうチャーム魔ま法ほうマジックにどんな効こう果かがあるのか分わからないの。
──でも、魅み了りょうチャーム魔ま法ほうマジックを掛かけられた被ひ害がい者しゃは、何な故せか男だん女じょ問とわずに追おい掛かけ回まわされているの… 」
マオ
「 追おい掛かけ回まわされる?? 」
エイラクトミスタ
「 そうなの…。
だけど…旅たび人びと,旅りょ行こう者しゃを襲おそった加か害がい者しゃは一いっ般ぱん人じんなのよ。
彼かれ等らは何な故ぜ自じ分ぶん達たちが旅たび人びと,旅りょ行こう者しゃを追おい掛かけ回まわして襲おそってしまったのか覚おぼえていないらしいの…。
魅み了りょうチャーム魔ま法ほうマジックに惑まどわされてしまった加か害がい者しゃも被ひ害がい者しゃなのよね…。
被ひ害がい者しゃの旅たび人びと,旅りょ行こう者しゃは怪け我がをしているし、病びょう院いんへ運はこばれて治ち療りょうもしてもらっているから、例たとえ…魅み了りょうチャーム魔ま法ほうマジックに惑まどわされてしまって覚おぼえていなくても、傷しょう害がい事じ件けんを起おこしてしまった以い上じょうは逮たい捕ほしないといけないし、罰ばっしない訳わけにはいかないわ…… 」
マオ
「 襲おそわれた旅たび人びと,旅りょ行こう者しゃも、襲おそった加か害がい者しゃも魅み了りょうチャーム魔ま法ほうマジックの被ひ害がい者しゃなんだな…。
魅み了りょうチャーム魔ま法ほうマジックを使つかった〈 テム 〉を逮たい捕ほ出で来きないと事じ件けんは解かい決けつしないんだ? 」
エイラクトミスタ
「 そうなの…。
〈 テム 〉がマ魔まギ法ほうタ師し,マ魔まギ術じゅつル師し,レ錬れんギ金きんン術じゅつシ師し,ジ呪じゅュ術じゅつロ師しの何どれに属ぞくしているか分わからないし、魅み了りょうチャーム魔ま法ほうマジックを使つかう〈 テム 〉を絞しぼり込こむ事ことが出で来きなくて…… 」
セロフィート
「 本ほん当とうに〈 テム 〉の仕し業わざでしょうか 」
エイラクトミスタ
「 え…?
セロフィートさん、其それはどういう事ことですか? 」
マオ
「 そうだよ、セロ。
何なんでそんな事こと言いうんだよ? 」
セロフィート
「 〈 テム 〉を犯はん人にんと決きめ付つけるのは早はやいと言いう事ことです。
魅み了りょうチャーム魔ま法ほうマジックを込こめた魔ま鉱こう石せきを使つかった〈 ノマ 〉の犯はん行こうかも知しれません。
魔ま導どう具ぐ,魔ま法ほう具ぐもありますし 」
エイラクトミスタ
「 ──其その線せんは視し野やに入いれてませんでした。
魔ま鉱こう石せき,魔ま導どう具ぐ,魔ま法ほう具ぐを使つかった〈 ノマ 〉の犯はん行こうかも知しれない…… 」
マオ
「 セロ〜〜〜。
其それって捜そう査さの邪じゃ魔まする事ことになるんじゃないのか〜〜? 」
セロフィート
「 そうです? 」
エイラクトミスタ
「 其それは違ちがうわ、マオ君くん。
捜そう査さの邪じゃ魔まだなんて、とんでもないわ!
……確たしかに〈 テム 〉だけじやなくて〈 ノマ 〉も対たい象しょうになると捜そう索さくの範はん囲いは広ひろがってしまうし、真しん犯はん人にんを絞しぼり込こむのは難むずかしくなるけど… 」
マオ
「 やっぱり捜そう索さの邪じゃ魔まになってるじゃんか… 」
セロフィート
「 真しん犯はん人にんを特とく定ていする事ことは出で来きませんけど、絞しぼり込こむ事ことは出で来きます 」
マオ
「 セロ……何なにか方ほう法ほうがあるのかよ? 」
セロフィート
「 魔ま鉱こう石せきを使つかい、魅み了りょうチャーム魔ま法ほうマジックの使つかい手てを特とく定ていします 」
エイラクトミスタ
「 セロフィートさん、そんな事ことが出で来きるんですか? 」
セロフィート
「 ワタシは吟ぎん遊ゆう詩し人じんとして≪ エルゼシア大たい陸りく ≫を旅たびしてますけど、トラ超ちょうンセ越えつンドのマギタ魔法使いでもあります 」
エイラクトミスタ
「 トラ超ちょうンセ越えつンドのマギタ魔法使い……ですか?
──もしかして、超ちょうトラン越えつセンド師しハルですか??
でも…超ちょうトラン越えつセンド師しハルは伝でん説せつ上じょうの…… 」
セロフィート
「 そうです。
ワタシは10億おく人にんに1人りの実じつ在ざいです 」