──*──*──*── 酒場街
《 宿屋街 》で営業している宿屋は何処も満室であり、宿屋に宿泊するのは諦めるしかなかった。
此の様子では冒険者ギルド専用の宿屋も満室で宿泊する事は出来ないかも知れない。
マオが嫌がる《 ギルド街 》へは行かず、セロフィートはマオの右手を握ったまま《 酒場街 》に来ていた。
後1時間30分程で日が暮れてしまう。
其迄には泊めてくれる酒場を見付けたいものだ。
《 酒場街 》は《 宿屋街 》とは違い、日が暮れてから賑わうものだが、≪ 港町 ≫の《 酒場街 》は、もう直ぐ日が暮れようとしているにも関わらず客足が少なかった。
マオ
「 あんまり人が歩いてないな…。
≪ 港町 ≫の《 酒場街 》って何時もこんな感じなのかな? 」
セロフィート
「 どうでしょう?
宿屋と同様に営業していない酒場がありますね 」
マオ
「 此からが稼ぎ時ってのに未だ閉店してるなんて…………潰れたのかな?? 」
セロフィート
「 其はないでしょう。
予想以上に客入りが少ない為、致し方無く閉めているのかも知れません 」
マオ
「 港,魚市通り,《 宿屋街 》は人通りが少なくて寂しい感じだったけど、《 商店街 》《 飲食街 》《 屋台広場 》《 ギルド街 》も同じ様な感じなのかな? 」
セロフィート
「 そうとも限りません。
《 住宅街 》がありますし。
《 商店街 》《 飲食街 》《 屋台広場 》は町民達で賑わっていると思いますし 」
マオ
「 あっ、そうか…。
港,《 宿屋街 》《 酒場街 》って、あんまり町民は利用しないんだっけ? 」
セロフィート
「 普通はそうですね。
港,《 宿屋街 》《 酒場街 》の利用者は殆どが旅人,旅行者,冒険けん治じ者しゃ屋やですし 」
マオ
「 《 ギルド街がい 》は賑にぎわってるかな? 」
セロフィート
「 気きになります?
《 ギルド街がい 》には、冒ぼう険けんを純じゅん粋すいに楽たのしむ旅たび人びと達たちの為ためにある旅たび人びとギルド、旅りょ行こうを安あん心しん,安あん全ぜんに楽たのしみたい旅りょ行こう者しゃ達たちの為ためにある旅りょ行こうギルド、≪ 港みなとピレト町まちレッシン ≫を守まもる冒ぼう退たい険けん治じ者しゃ屋やの為ためにある冒ぼう険けん者しゃギルド、冒ぼう退たい険けん治じ者しゃ屋しゃ専せん用ようの宿やど屋や、冒ぼう退たい険けん治じ者しゃ屋や専せん用ようの飲いん食しょく店てん,冒ぼう険けん者しゃギルド連れん盟めい組くみ合あいピレトレッシン支し部ぶがあります。
賑にぎわっていると思おもいますけど? 」
マオ
「 うん。
オレもそんな気きがする。
旅たび人びと,旅りょ行こう者しゃの中なかには≪ 港みなとセィレン町まちトーム ≫に行いきたい人ひと達たちも要いるんだろうな〜~ 」
セロフィート
「 そうですね。
≪ 港みなとセィレン町まちトーム ≫は最さい後ごの≪ 港みなと町まち ≫ですし、居いると思おもいます 」
マオ
「 なぁ、セロ。
今こん回かいも《 酒さか場ば街がい 》の奥おくにある花はな屋や敷しきに歌うたいに行いくのか? 」
セロフィート
「 そうですね…。
行いってみようと思おもってます 」
マオ
「 花はな屋や敷しきってさ、《 花はな街まち 》に似にせて造つくられた “ 成せい人じんした大人おとなが遊あそぶ為ための如いか何がわしい屋や敷しき ” だろ。
成せい人じんしてるってのに、何なんでかオレだけ入にゅう場じょう禁きん止しなんだよ! 」
セロフィート
「 マオは外がい見けんだけ見みれば小しょう徒とですし。
諦あきらめた方ほうが良よいです 」
マオ
「 オレは別べつに遊あそぶ為ために入はいる訳わけじゃないんだぞ!
セロの護ご衛えいをする為ためにだな── 」
セロフィート
「 はいはい。
今こん回かいは泊とめてくれる酒さか場ばで留る守す番ばんしててください 」
マオ
「 〜〜〜〜〜〜オレはセロが心しん配ぱいなんだよ!!
セロは魅み力りょく的てきだから、男だん女じょ関かん係けい無なく言いい寄よられるだろ!
セロはどんな誘さそいにも笑え顔かおスマイルで受うけるから心しん配ぱいなんだよ!! 」
セロフィート
「 マオ…誤ご解かいを招まねく様ような言いい方かたをしないでください。
ワタシは誰だれの誘さそいも受うけません。
ワタシが受うける誘さそいはマオだけです(////)」
マオ
「 セロ……(////)」
セロフィート
「 ──マオ、彼あの酒さか場ばで聞きいてみましょう 」
マオ
「 うん。
結けっ構こうデカくて真ま新あたらしい酒さか場ばだな 」
セロフィート
「 主おもに旅りょ行こう者しゃ,旅たび人びとが利り用ようする酒さか場ばでしょう 」
マオ
「 泊とめてもらう代かわりに雇やとってもらうんだよな? 」
セロフィート
「 そうです。
マオ、交こう渉しょうはワタシに任まかせてください 」
マオ
「 うん。
オレが交こう渉しょうすると失しっ敗ぱいしちゃうからな… 」
セロフィートとマオは、営えい業ぎょうしている酒さか場ばボランニュ亭ていへ入はいった。