マオ
「 ──へぇ?
アリエール・ポワムセンって画家じゃないんだ? 」
エイラクトミスタ
「 そうなの。
趣味で描かれているそうよ。
画家になる気はないみたいね。
画家として活躍されているのは、兄のイーヴェン・ポワムセンの方ね。
イーヴェン・ポワムセン,アリエール・ポワムセンの兄妹は≪ 港街 ≫を治めている街長の子供なのよ。
≪ 港町 ≫の交番に飾られている絵は全てアリエール・ポワムセンが描いた絵でね、ポワムセン家から寄附されたものばかりよ 」
マオ
「 ≪ 港街 ≫はセロとオレの目的地だよ 」
エイラクトミスタ
「 あら、そうなの?
其じゃあ、≪ 港街 ≫に着いたら絵画展に寄る事をお薦めするわ♪ 」
マオ
「 絵画展なんてやってるの? 」
エイラクトミスタ
「 そうなのよ。
他にも有名な画家の描いた作品も見れるのよ 」
マオ
「 有名な画家?? 」
エイラクトミスタ
「 聞いた事ないかしら?
ポワムセン一族以外にも,ミッチェンル一族,シェパリド一族,ダフネフト一族,マゼンラック一族,エンデミタ一族──、何処も≪ エルゼシア大陸 ≫で有名な画家の名家ばかりの絵画を集めた絵画展で注目されているわ。
個人ではクリネッド・アーデルが有名ね。
生前に彼が描いた絵画が何作品か発見されたらしいの。
未発表作品も何作か展示されているみたいなの 」
マオ
「 発見されたって……誰かに隠されてたの? 」
エイラクトミスタ
「 クリネッド・アーデルが亡くなってから盗難に遭ったらしいの。
もの凄い額になるらしいから大捜索されたらしいわ。
結局、見付からないまま捜索は打ち切られてしまったの。
犯人も不明のままよ 」
マオ
「 怪盗も吃驚だね 」
エイラクトミスタ
「 本当にそうなの。
行方不明になってから340年経って発見されるなんて…… 」
マオ
「 でもさ、見付かって良かったよね。
犯人は捕まえられないけどさ… 」
エイラクトミスタ
「 そうよね… 」
マオ
「 絵画展かぁ。
セロ、≪ 港街 ≫に着いたらさ寄ってみようよ。
見付かった絵画を見てみたい! 」
セロフィート
「 そうですね。
マオが絵画に興味を持ってくれるのは嬉しいです。
其にしてもエイミスさんは絵画に詳しいですね 」
エイラクトミスタ
「 私の姉が≪ 港街 ≫で暮らしているんです。
姉は子供の頃から絵画が好きで態々≪ 港街 ≫に引っ越したんです。
パンプレットが有れば、手紙と一緒に送ってくれるんです。
行けませんけどね… 」
マオ
「 へぇ、エイミスさんには、お姉さんが居るんだね 」
エイラクトミスタ
「 双子の姉よ。
今は《 宿泊街 》にある宿屋で働はたらいているらしいの。
良よかったら、寄よってみて 」
マオ
「 うん。
エイミスさんと双ふた子ごなら、会あったら直すぐ分わかるね 」
エイラクトミスタ
「 えぇ。
分わかると思おもうわ 」
マオ
「 ≪ 港みなとキャリピパルゲ街まちライーグット ≫に着つくのが楽たのしみだな〜〜 」
セロフィート
「 今いまでも郵ゆう便びん物ぶつは届とどきます?
今いまの≪ 港みなとピレト町まちレッシン ≫は≪ 港みなとセィレン町まちトーム ≫と往いき来きが出で来きないと聞ききましたけど… 」
エイラクトミスタ
「 えぇ……そうなんです。
往いき来きの出で来きない理り由ゆうは私達警察官には分わからないんです。
海うみで起おきる問もん題だいや事じ件けんは交こう番ばんの管かん轄かつ外がいになってるんです。
漁りょう師しから冒ぼう険けん者しゃギルドへ依い頼らい書しょが出でてると思おもいますよ 」
マオ
「 そうなんだ…。
交こう番ばんの管かん轄かつは陸りく地ちだけなんだね 」
エイラクトミスタ
「 そうなの。
役やくに立たてなくて御ご免めんなさいね… 」
マオ
「 エイミスさんが謝あやまる事ことないよ。
セロもオレも冒ぼう険けん者しゃギルドで冒ぼう険けん者しゃ登とう録ろくもしてるんだ。
本ほん当となら今日きょう、冒ぼう険けん者しゃギルドで依い頼らいを探さがして受うけるつもりだったんだよ 」
エイラクトミスタ
「 まぁ、そうだったの…。
冒ぼう険けん者しゃギルドに行いけるのは明あ日すになってしまうわね… 」
マオ
「 うん…。
でもさ、≪ 港みなとピレト町まちレッシン ≫で依い頼らいが出でてるならさ、≪ 港みなとセィレン町まちトーム ≫でも依い頼らいが出でてるかも知しれないよね。
≪ 港みなとセィレン町まちトーム ≫の冒ぼう険けん者しゃ達たちが問もん題だい解かい決けつに取とり組くんでくれてるかも 」
セロフィート
「 無なきにしも非あらず──ですね 」
マオ
「 セロ〜〜〜、言いい方かた… 」
セロフィート
「 何なんです? 」
マオ
「 …………何なんでもないです… 」
エイラクトミスタ
「 フフフ!
セロフィートさんとマオ君くんって兄弟きょうだいみたいに仲なかが良いいんですね 」
マオ
「 そう見みえる? 」
エイラクトミスタ
「 私わたし、妹いもうとですから、セロフィートさんが羨うらやましいです(////)」
マオ
「 エイミスさん、弟おとうとが欲ほしいの? 」
エイラクトミスタ
「 憧あこがれてはいたわね。
──あっ、御ご免めんなさいね。
関かん係けい無ない話はなしばかりしちゃって…。
遅おそくなっちゃったけど、本ほん題だいに入はいりますね 」
マオ
「 ──あっ、そうだった!
すっかり忘わすれてた……。
えと……ぉ… 」