セロフィートの子守唄を聞きながら深い眠りに就いたマオは、セロフィートに膝枕をされた状態で再び目を覚ました。
2度目に目が覚めたのは、午前8時を過ぎた頃だった。
目覚めたマオは、セロフィートが傍に居てくれた事に安堵し、夢でなかった事を心の底からホッとした。
マオが目覚めると、セロフィートは紙袋の中から箱を取り出した。
1ホール分ぶんが入はいっているタルトの箱はこだ。
セロフィート
「 マオ、朝あさ食げモニングにしましょう 」
マオ
「 ………………本ほん当とに食たべるんだ? 」
セロフィート
「 勿もち論ろんです。
其その為ために買かいましたし 」
マオ
「 …………朝あさっぱらからスイーツタルトかよ…。
ははは…………はぁ〜〜〜…… 」
タルトを食たべる気き満まん々まんのセロフィートを横よこ目めにマオは、深ふかい溜ため息いきを吐はいた。
?
「 ──あら?
お連つれさん、起おきたんですね。
タルト?? 」
セロフィート
「 御お早はよう御ご座ざいます、エイミスさん。
マオが起おきたので朝あさ食げモニングをと思おもいまして 」
エイミス
「 まあ、そうなんですか?
飲のみ物ものが必ひつ要ようですね。
其そ処こで食たべるのは何なんですし、テーブルのある部へ屋やを使つかってください。
とは言いっても、取とり調しらべ室しつしかないんですけど…… 」
セロフィート
「 有あり難がとう御ご座ざいます、エイミスさん 」
エイミス
「 良いいんですよ。
セロフィートさんもお連つれさんも事じ件けんを解かい決けつさせる為ために必ひつ要ような重じゅう要よう参さん考こう人にんなんですから。
タルトを食たべるなら飲のみ物ものは無む糖とう紅こう茶ちゃが良いいそうですよ 」
セロフィート
「 有あり難がとう御ご座ざいます 」
エイミス
「 取とり調しらべ室しつへ案あん内ないしますね。
此方こちらです 」
セロフィート
「 マオ、行いきましょう 」
マオ
「 …………う、うん…。
( …………取とり調しらべ室しつで食たべるのかよ…。
何なんか…犯はん罪ざい者しゃっぽいんですけど!!
事じ情じょう聴ちょう取しゅされた後あとに逮たい捕ほされないよな??
…………其それにしても、さっきから “ 事じ件けん ” って言こと葉ばを何なん度ども聞きくけど、何なんの事じ件けんなんだろう??
何ど処こで起おきた事じ件けんだろう?? )」
椅イ子スチェアから腰こしを浮うかせて立たち上あがったマオは、セロフィートの代かわりに紙かみ袋ぶくろを持もった。
セロフィートはエイミスという女じょ性せいに案あん内ないされながら、マオの前まえを歩あるいている。
警けい察さつ官かんの制せい服ふくを着きているのを見みると、交こう番ばんに勤きん務むしている警けい察さつ官かんなのだろう。
≪ 街まち ≫には警けい察さつ署しょがあるが、≪ 町ちょう ≫には警けい察さつ署しょがなく、代かわりに交こう番ばんが設せっ置ちされている。
1つの≪ 町ちょう ≫には最さい低ていでも5つの交こう番ばんを設せっ置ちする事ことが義ぎ務む付づけされている。
≪ 港みなとピレト町まちレッシン ≫は広ひろい為ため、交こう番ばんは5つでも足たりなさそうだ。
マオ
「( 事じ件けんの事ことは食たべながらセロに聞きこう。
其それにしても、今日きょうって滞たい在ざい何なん日にち目めなんだろう?? )」
エイミス
「 此こ処こです。
事じ情じょう聴ちょう取しゅは早はやくても11時じ頃ごろになります。
取とり調しらべ室しつでは寛くつろぎ難にくいと思おもいますけど…時じ間かんが来くる迄までゆっくり休やすんでいてください。
ポットを持もって来きますね 」
取とり調しらべ室しつのドアの鍵カギを開あけたエイミスは、ドアを開あけるとセロフィートとマオに入はいる様ように促うながした。
マオ
「 ……ねぇ、エイミスさん。
何なんで事じ情じょう聴ちょう取しゅが11時じ頃ごろになるの?
今いまから始はじめても良いいんじゃないの? 」
エイミス
「 あら、協きょう力りょく的てきなのね、有あり難がとう。
マオ君くん……で良よかったかしら? 」
マオ
「 うん、良いいよ 」
エイミス
「 私わたしはセロフィートさんとマオ君くんの担たん当とうをさせてもらう巡じゅん査さのエイラクトミスタ・テリーデンスです。
気き軽がるに “ エイミス ” と呼よんでね 」
マオ
「 うん。
有あり難がとう、エイミスさん。
オレはマオ・ユーグナルだよ。
全ぜん然ぜん見みえないだろうけど、此これでも20歳さいで成せい人じんしてるんだ(////)」
エイラクトミスタ
「 まぁ?!
そうなの?
分わからなくて御ご免めんなさいね。
“ 君くん ” じゃ失しつ礼れいになるわね… 」
マオ
「 良いいよ、慣なれてるし。
其それにエイミスさんの方ほうがオレより、お姉ねえさんだよね? 」
エイミス
「 ふふ、今こ年としの8や月つきで24歳さいになるの(////)」
マオ
「 そうなんだ?
おめでとう! 」
エイミス
「 有あり難がとう、マオ君くん。
あぁ…事じ情じょう聴ちょう取しゅの時じ間かんだったわよね?
実じつはね、昨さく日じつの昼ひる間ま 〜 夜や間かんに4件けんも事じ件けんが起おきたの。
セロフィートさんとマオ君くんの事じ件けんを合あわせたら5件けんね。
4件けんの事じ件けんの被ひ害がい者しゃ達たちからも事じ情じょう聴ちょう取しゅをしないといけないの。
今いまは人ひと手でが足たりなくて……、セロフィートさんとマオ君くんに事じ情じょう聴ちょう取しゅの番ばんが回まわって来くるのは11時じ頃ごろなのよ。
御ご免めんなさいね 」
マオ
「 そう…なんだ……。
1日にちに5件けんも事じ件けんが起おきるなんて…≪ 港みなとピレト町まちレッシン ≫は物ぶっ騒そうなの? 」
エイラクトミスタ
「 …………去きょ年ねんの11とひ月きの下げ旬じゅんからなの。
もう5ヵ月げつになるわね 」
マオ
「 そんなに?!
何なんで……。
ねぇ、其それってどんな事じ件けんなの? 」
セロフィート
「 ──マオ。
其それぐらいになさい。
エイミスさんが困こまってます 」