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✔ 1.酒場オムニア 9 〜 初・体・験 8 〜
犠牲者である男から乱暴と強姦される事を受け入れ、汚れてしまった自分は、セロフィートから幻滅されてしまうだろうか。
「 要らない 」と言われて、捨てられてしまうかも知れない。
其でも────。
マオは心の中でセロフィートに謝った。
男の攻撃を避けて逃げるのを止めたマオは、両手を広げると強い眼差しで男を見据えた。
マオ
「 ──オレは、もう逃げない!
オレを好きにすれば良い!! 」
覚悟を決めたマオの前に、我を忘れた暴力的な男が持っていた斧を手離し捨てた。
男が左右の指を厭らしくワキワキと動かしながら、マオへ腕を伸ばす。
後数cmで男の手がマオに触れそうだという所で、何故かマオの視界は闇に包まれた。
意識が途切れて落ちたのだ。
全身から力が抜けたマオの身体はグラリ──と揺れると床に倒れた。
◎ 〈 皇 〉になる事を拒んで旅を続けている時点で、マオは十分過ぎるぐらいに大罪人なので、今更な気がします。
どんな償いも償いにならない人類の敵──、それがマオ・ユーグナルです。




