✅ 宿屋街 / 宿屋を決めよう
──*──*──*── 宿屋街
《 宿屋街 》へ入ったセロフィートとマオは、今夜から宿泊する為の宿屋を探し始めた。
何処の《 宿屋街 》も昼間でも人通りが多く賑やかなものなのだが、≪ 港町 ≫の《 宿屋街 》は違っていた。
未だ明るいのに出歩いている人は少なく、立ち止まって話に花を咲かせている人達の姿も見られない。
マオ
「 此が《 宿屋街 》かよ…。
此処も活気がないな…。
ガランとしてる… 」
セロフィート
「 全く居ない訳ではないですけど、少ないのは確かです 」
マオ
「 何処の宿屋が良いかな? 」
マオはセロフィートと共に営業している宿屋を探して歩く。
《 宿屋街 》だというのに営業をしている宿屋の数は少なく、宿泊の出来そうな宿屋を探すのに苦労する事になった。
──*──*──*── 40分後
マオ
「 ………………こんなに探してるのに何処も満室なんてなぁ……。
──他に空いてる宿屋はないのかよ! 」
セロフィート
「 営業している宿屋が少ない所為でしょうね。
もう少し奥へ行ってみましょう。
きっと見付かります 」
マオ
「 だと、いいんですけど!
≪ 港町 ≫に来たのに野宿なんて嫌だぞ! 」
セロフィート
「 《 宿屋街 》が無理なら、《 酒場街 》に行きましょう。
宿泊中は働く事になりますけど 」
マオ
「 …………酒臭いから嫌だよ… 」
セロフィート
「 贅沢の言える立場です?
冒険者ギルド専用の宿屋に宿泊するのは嫌なのでしょう? 」
マオ
「 う゛ぅ……其は…… 」
セロフィート
「 今からでも《 ギルド街 》へ行きます?
空いてる宿泊室がないか聞きます? 」
マオ
「 ………………冒険者ギルド専用の宿屋は絶対に嫌だ!! 」
セロフィート
「 マオ… 」
マオ
「 だってさ、無駄に豪華過ぎて落ち着かないし、寛げないんだよ〜〜。
セロは慣れてるかも知れないけど、オレには無理なの!
バセリナ城で2泊3日の滞在だって辛いのに!! 」
セロフィート
「 マオの困ったさん…。
《 宿屋街 》で見付からなければ《 酒場街 》へ行きます。
良いですね、マオ 」
マオ
「 分かったよ…。
《 酒場街 》でいいよ! 」
嫌々に承諾したマオは、拗ねた顔でセロフィートを睨んだ。
セロフィートは子供の様に拗ねるマオを見て、クスクスと柔らかく笑う。
セロフィート
「 急ぎましょう。
後2時間程で日が暮れてしまいます 」
マオ
「 うん… 」
セロフィートはマオの右手を握ると、営業している宿屋を見付けては中へ入り、受け付けカウンターで宿泊したい事を伝え、空いている宿泊室はないか尋ねるのだった。