?
「 ククク……。
良いね、君…。
今迄の契約者には居なかったタイプかもね! 」
マオ
「 笑うなよ!
オレは本当にセロと── 」
?
「 うんうん。
良いよ、良いよ。
好きに思ってれば良いよ!
クッ…ハハハハハ! 」
マオ
「 何なんだよ、アンタは!
──まさか…、アンタ……ゼノバ教団の幹部の1人なのか? 」
?
「 はぁ?
ゼノバ教団の幹部だって??
馬鹿言うなよ。
あんなイカれた奴等と一緒にされたくないよ!
僕はゼノバ教団なんか嫌いだからね 」
マオ
「 仲間じゃないのかよ… 」
?
「 仮に僕がゼノバ教団の幹部だったら、君を助けてないよ。
僕はフリーさ。
≪ 港町 ≫から離れた場所に遊男廓があってね。
其処で暮らしてるんだ 」
マオ
「 遊男廓?? 」
?
「 まぁ、早い話が天涯孤独になった孤児を保護してる施設みたいなもんかな。
遊男廓って名前の通り、女禁制の保護施設さ 」
マオ
「 男ばっかりなのか? 」
?
「 そっ!
男だけの楽園さ。
興味あるかい? 」
マオ
「 無いよ!
オレにはセロが居るんだ(////)」
?
「 だよね〜〜。
まぁ、良いや。
ゼノバ教団の幹部になって、お人形様の邪魔をする契約者ばっかじゃないって事は覚えといてほしいね。
因みに、君みたいに “ 現契約者 ” の事を “ アベル ” って言ってね、僕等みたいな “ 元契約者 ” は “ セスン ” って言うんだよ。
ゼノバ教団の幹部になって、お人形様の邪魔をしてるセスンの事は侮蔑を込めて “ カイン ” って言うんだ 」
マオ
「 …………じゃあ、アンタみたいにフリーのセスンは何て言うのさ 」
?
「 “ アユダ ” だよ。
カインにとってアベルは敵であり、邪魔者だけど、アユダは裏切り者だ。
アユダはアベルの敵じゃない。
まぁ、味方でもないけどね。
アベルの君はカインに気を付けるんだよ。
結界はアユダに対してもカインに対しても発動しないんだからね 」
マオ
「 ……どういう事だよ?
さっきは結界が守ってくれるって言ってただろ? 」
?
「 結界が守ってくれるのは、君がアルコールを摂取してフェロモンを大放出した時だけさ。
お人形様が傍に居るなら守ってくれるけどね、お人形様が傍に居ない時は守れないからね。
いざという時の保険みたいなものだね 」
マオ
「 …………………… 」
?
「 此に懲りたら、お人形様が居ない時には酒を飲まない事だね。
今日の出来事は其の教訓って所だね。
此の失敗を繰り返さない様にしなよ 」
マオ
「 …………………… 」
?
「 僕の名前、教えてなかったね。
僕は “ マグダラ ” だよ。
僕は≪ エルゼシア大陸 ≫から出て行くつもりはないから、君がセスンになった時には訪ねて来てくれると嬉しいな。
君がカインにはならない事を〈 大陸りく仰こう神しんエルゼシア様さま 〉に祈いのってるよ 」
マオ
「 …………マグダラ… 」
マグダラ
「 じゃあね。
気きが向むいたら遊ゆう男だん廓かくに遊あそびに来きて良いいよ。
“ サエルセフィス・マグダラ ” って言いえば、僕ぼく専せん用ようの御お客きゃく様さまとして特とく別べつ待たい遇ぐうでおもてなしするからね! 」
マオ
「 ………………行いかないと思おもうけど…。
……………………マグダラ、…………助たすけてくれて有あり難がとう…… 」
マグダラ
「 良いいんだよ。
アベル現契約者に会あえて、話はなせて嬉うれしかったし 」
マオ
「 …………オレは “ マオ ” だよ。
マオ・ユーグナル!
≪ 都みやこレドアンカ ≫で守しゅ護ご衛えい士ししてたんだ! 」
マグダラ
「 ふぅん?
マオ……ね。
なら、 “ マオ・ユーグナル ” は “ 僕ぼくマグダラ専せん用よう ” って事ことにしとくよ 」
マオ
「 ………………其それは喜よろこんで良いいのかよ… 」
マグダラ
「 勿もち論ろんさ。
──じゃあね! 」
マグダラと名な乗のった声こえの主ぬしの気け配はいは2階かいの店てん内ないから消きえていた。
マオ
「 …………一いち応おう、オレの恩おん人じんなんだよな…。
………………此これ、どうするんだよ?
オレ…1人りじゃ何なんとも出で来きないよ…。
…………………………オレの所せ為い…か……。
明日あしたからどうしたら良いいんだよ…。
…………クラウノさんの家か族ぞくには、何なんて言いったら良いいんだよ!! 」
マオは店てん内ないで立たち尽つくしていた。
セロフィートではない自じ分ぶんには、此この死し体たいをどうする事ことも出で来きないからだ。
今いまのマオにはセロフィートが帰かえって来きてくれる迄まで待まつしか出で来きない。
マオは階かい段だんを上あがり、3階かいの部へ屋やに行いく事ことにした。
マオ以外の契約者を登場させていなかったので、マオを助ける側として登場させてみました。