──*──*──*── 2階
慎重に階段を上がったマオは、2階の店内を見回した。
2階の様子も1階と同様の荒らされ様だった。
此では折角の楽しい憩いの場となる酒場が台無しだ。
マオ
「( …………此処も酷ひどい…!! )
──っ、誰だれか居いないの?
クラウノさん? 」
完かん全ぜんに2階かいへ上あがりきったマオは、暗くらい店てん内ないを明あかるくする為ために光ひかりレムライト魔ま法ほうマジックを発はつ動どうさせた。
店てん内ないが光ひかりで照てらされると、酷ひどい光こう景けいである事ことが分わかった。
何どの客きゃく達たちも既すでに息いき絶たえており、絶ぜつ命めいしていた。
心しん臓ぞうを1突つきされており、犯はん人にんが其その道みち殺ころしの玄くろうプ人とロなのではないか──と疑うたがってしまう程ほどに見み事ごとな腕うで前まえだ。
マオ
「 ……………………此この人ひと達たちが一いっ体たい何なにをしたっていうんだよ…。
何なんでこんな目めに遭あわなきゃいけないんだよっ!!
こんなの、オカシイよ!! 」
?
「 君きみを孕はらませたいからさ 」
マオ
「 ──はぁ!?
だっ、誰だれだよ!!
オレが何なんだって?! 」
?
「 ふぅん?
自じ分ぶんじゃ分わからないんだ… 」
マオ
「 ──何ど処こに居いるんだよ!
隠かくれてないで出でて来こいよ! 」
?
「 君きみから大だい放ほう出しゅつされてるフェロモンが原げん因いんだよ。
君きみのフェロモンを嗅かいだ所せ為いで正しょう気きを失うしなってしまったのさ 」
マオ
「 何なに言いってんだよ!
フェロモン??
意い味みの分わからない事こと言いうな! 」
?
「 皆みんな、君きみを押おし倒たおして、モノにしたい──っていう思し考こうに捕とらわれてしまったんだよ。
衝しょう動どうを堪こらえきれずに殺ころし合あったのさ。
君きみを孕はらませられるのは1人りだけだからね 」
マオ
「 ………………何なに言いってんだよ!
はら…孕はらませる…??
そんな事こと出で来きる訳わけないだろ!!
オレは男おとこなんだぞ!! 」
?
「 其その通とおりだよ。
君きみは男おとこだ。
女おんなじゃない。
男おとこの君きみを全ぜん身しん全ぜん霊れいで犯おかした所ところで、孕はらませる事ことなん出で来きる訳わけないんだ。
そんな当あたり前まえな事ことすら、考かんがえられなくなってしまう程ほどに彼かれ等らは君きみが放ほう出しゅつしてるフェロモンに狂くるわされてイカれてしまったのさ 」
マオ
「 ………………フェロモン…って何なんだよ……。
何なんでそんな事ことになったんだよ…… 」
?
「 はぁ?
君きみ…其それ、本ほん気きで言いってる?
君きみを取とり合あって無む惨ざんに殺ころし合あった彼かれ等らが浮うかばれないねぇ 」
マオ
「 お前まえは分わかるのかよ?! 」
?
「 本ほん当とうに分わからないのかい?
君きみ、酒さけを飲のんだろ。
アルコールを摂せっ取しゅした所せ為いさ。
元もと々もと君きみが持もってるフェロモンに害がいはないよ。
アルコール成せい分ぶんが加くわった所せ為いで、君きみの半はん径けい10mメートル以い内ないに居いた酒さか場ばオムニアの客きゃく達たちは、君きみから放ほう出しゅつされてる狂きょう喜きのフェロモンの被ひ害がい者しゃになったのさ 」
マオ
「 ……………………お酒さけを飲のんだから??
…………オレが悪わるいの??
オレが此この惨さん劇げきを引ひき起おこした犯はん人にんなのかよ…?? 」
?
「 そういう事ことだね。
タガが外はずれた発はつ情じょう期きの猿さるみたいな野や郎ろう共どもに襲おそわれなくて良よかったね。
正しょう気きを失うしなってる野や郎ろう共どもは、怒いかり狂くるってるし暴ぼう力りょく的てきだからね!
──まぁ、君きみを襲おそう前まえに、君きみを守まもってる結けっ界かいに体からだをバラバラにされるんだけどねぇ!
ハハハハハ! 」
マオ
「 ………………お前まえは平へい気きなのかよ?
何なんでそんな……詳くわしく知しってるんだよ!! 」
?
「 あぁ、其それね。
簡かん単たんだよ。
僕ぼくは君きみと同どう類るいだからね 」
マオ
「 ……同どう類るい?? 」
?
「 そうさ。
僕ぼくも君きみと同おなじ契けい約やく者しゃだからね 」
マオ
「 …………え??
契けい約やく者しゃ…??
誰だれと……?? 」
?
「 クッ──ハハハハハ!!
そんなの決きまってるだろ!
君きみが大だい好すきで堪たまらない “ お人にん形ぎょう様さま ” だよ 」
マオ
「 えっ??
お人にん形ぎょう様さま…………って…、セロ?? 」
?
「 そうそう。
セロフィート様さま!
──って言いっても、君きみが契けい約やくしたお人にんセロ形ぎょうフィート様さまじゃないけどね 」
マオ
「 え…??
オレのセロじゃない…?? 」
?
「 今いまのお人にんセロ形ぎょうフィート様さまからすれば “ 先せん代だい ” になるね。
何なん代だい前まえのお人にんセロ形ぎょうフィート様さまになるんだったかな?
──時ときが立たち過すぎて忘わすれちゃったな。
まぁ、そんな訳わけでさ、僕ぼくは君きみと同おなじなのさ 」
マオ
「 ……………………アンタは──、セロの記き憶おくがセンダイさんの記き憶おくと入いれ替かわるのを待まってるのかよ? 」
?
「 へぇ?
知しってるんだ?
今こん回かいのお人にんセロ形ぎょうフィート様さまは随ずい分ぶんと優やさしいんだね。
君きみ、相そう当とう気きに入いられてるみたいだし。
まぁ、でも……所しょ詮せんは退たい屈くつ凌しのぎの玩がん具ぐおもちゃなのは変かわらないけどね 」
マオ
「 玩がん具ぐおもちゃ…??
オレはセロの玩がん具ぐおもちゃじゃないよ!
セロとオレは相そう思し相そう愛あいの夫ふう婦ふなんだぞ! 」
?
「 フッ──ハハハッ!!
お人にんセロ形ぎょうフィート様さまと夫ふう婦ふだって?
アハハハハハハ!!!!
君きみぃ、面おも白しろい事ことを言いうね~~!
成なる程ほどね… 」