✔ 1.ウリィンポス 1 〜 タルトを買おう! 1 〜
──*──*──*── ウリィンポス
セロフィートとマオが店内へ入ると、女性客だけでなく、男性客もタルトを買いに来ていた。
店内に設置されている飲食コーナーは意外にも広く、15名が座れる壁側を向いて食べる席が、コの字型に設置されており、2名用の長方形のテーブルは6席設置されていた。
生憎と飲食コーナーは満席となっており、セロフィートとマオは座れない。
マオ
「{ もう20時を過ぎてるのに店内は賑やかだな。
昼間みたいだよな? }」
店内の様子を見てセロフィートに声を掛けたマオだったが、セロフィートからの返事はなかった。
セロフィートはマオの横には居らず、ショーケースの前に立ち、タルトを見ていた。
マオ
「( 何時の間にっ?!
オレよりタルトの方が大事なのかよっ!?
………………オレもクラウノさんに渡すタルトを決めよ… )」
セロフィートの事は諦めたマオは、ショーケースの前に進むと、クラッドウォウノへのお土産にするタルトを選び始めた。
マオ
「( う〜ん……。
どのタルトも美味しそうで迷っちゃうなぁ…。
クラウノさんには、どんなタルトが良いのかな??
こんな事ならティリアさんに相談すれば良かったなぁ… )」
マオがショーケースの前でタルトを相手にしてにらめっこをしている間、セロフィートはタルトを選び終えていた。
店員が3人掛かりでセロフィートが選んだタルトを丁寧に箱入れをし始めていた。
セロフィート
「 ──マオ、クラウノさんに渡すタルトは決まりました? 」
マオ
「 ん〜〜〜……未だ! 」
セロフィート
「 3種類のタルトを1切れずつ選んではどうです? 」
マオ
「 う〜〜〜ん……。
そうだなぁ…。
う〜〜〜ん………… 」
──*──*──*── 30分後
マオは未だにショーケースの前で、どのタルトにしようかと考えていた。
セロフィート
「 君に任せていたら日にちが変わってしまいますね。
ワタシが選びましょう 」
30分間も真剣な顔をして一生懸命にタルトで悩んでいるマオの姿を前にして店員達が微笑ましそうに見ている事に気付いたセロフィートは、面白くない気持ちになり、マオの様子を黙って見守るのを止めると口を挟んだ。
マオ
「 あっ…セロ…… 」
セロフィート
「 何です? 」
マオ
「 何でもない…です…… 」
にっこり笑顔のセロフィートの声色は穏やかで優しかったが、『 逆らわない方が良いかも知れない 』と感じたマオは、タルト選びをセロフィートに任せる事にした。
セロフィートは秒で3種類のタルトを1切れずつ選んだ。
セロフィート
「 ──マオ、お会計してください 」
マオ
「 う、うん…… 」
マオがポーチバッグから自分のマイバイ証を出している間に、セロフィートはクラッドウォウノに渡す分──3切れのタルトの支払いをマイバイ証のマネー支払いで済ませた。
クラッドウォウノに渡すタルトは、お土産用の箱に入れてもらった。
マオが支払うのは、セロフィート用のタルト分だ。
1ホール分のタルトが入っている箱が3箱ある。
8切れ分が1ホールなので、24切れ分のタルトが箱に入れられている事になる。
ショーケースの中にあるタルトの金額を見てみると、1切れの大体の値段は500Q以上となっている。
1切れを500Qとして計算すると12.000Q以上となる。
飲食店の会計で支払った金額と比べれば、物凄く安く感じるのだが、専門店ではないケーキ屋等で販売されている1切れのタルトの大体の金額が300 〜 500Q未満なのを知っている為、お高い感は否めない。
マオはレジカウンターの前に立ち、合計金額を言われた後、マイバイ証を手渡した。
マオのマイバイ証にチャージされている金額の残高と未使用のQPは、セロフィートのマイバイ証と同じである。
パーティーメンバーのデータは常に連動しており、離れている仲間がチャージ金額と未使用のQPを誰が、何処で、何に対して、何Q支払ったのか、何QP消費したのか──、全て登録される様になっており、常にリーダーが監視,管理,把握,チェック等々が簡単に出来る仕組みになっている。
何時でも何処でもリーダーにチェックされる為、パーティー共有財産を自由気儘,好き勝手に無駄遣いする事が出来なくなっている訳だ。
但し、セロフィートの財力には限界がない為、マオ,トイチ,フィンフィレイナ,ニュ
店員
「 ──有
マイバイ証
マオは店